詐欺の手口

自動音声ガイダンス詐欺の巧妙な手口とは?「1を押して」は危険!

自動音声ガイダンス詐欺の巧妙な手口とは?「1を押して」は危険! 詐欺の手口

「こちらはNTTファイナンスです。未納料金がございます。詳しくは1番を押してください」あなたの電話に、こんな自動音声ガイダンスが流れてきたことはありませんか?それは、あなたの大切な財産を狙う、巧妙な自動音声詐欺の手口かもしれません。

最近、実在する企業や公的機関を名乗り、機械的な音声で相手を信用させる自動音声詐欺が急増しています。この記事では、その具体的な手口と、なぜ私たちが騙されてしまうのか、その心理的な罠を解説します。正しい対処法を知って、あなたと家族を危険から守りましょう。

  1. その電話、本物?急増する自動音声ガイダンス詐欺とは?
    1. そもそも「自動音声ガイダンス詐欺」とは、どんな詐欺なの?
    2. なぜ詐欺師は「自動音声」を使うの?
    3. 「+」から始まる国際電話番号や非通知でかかってくる理由とは?
  2. 自動音声詐欺は、どんな手口であなたを騙そうとするの?
    1. 手口①:NTTファイナンスなどを名乗る「未納料金請求」
    2. 手口②:税関や大使館を名乗る「荷物トラブル通知」
    3. 手口③:大手通販サイトを名乗る「会員登録の確認」
  3. なぜ、つい「1」を押してしまうの?詐欺師が使う心理的な罠とは
    1. 心理①:「未納」「差し押さえ」という言葉で不安を煽る
    2. 心理②:機械的な音声で「公的機関からの連絡だ」と誤認させる
    3. 心理③:「オペレーターに繋ぐには1を」と次の行動を指示してくる
  4. もし、指示通りボタンを押してしまったら、どうなるの?
    1. ケース①:詐欺師(オペレーター)に繋がり、個人情報を聞かれる
    2. ケース②:高額な国際電話料金が発生する
    3. ケース③:あなたの電話番号が「騙されやすいリスト」に登録される
  5. 被害に遭わないために!自動音声電話がかかってきた時の正しい対処法とは?
    1. 対処法①:何もせず、すぐに電話を切る
    2. 対処法②:絶対にボタンを押したり、かけ直したりしない
    3. 対処法③:スマートフォンの迷惑電話対策機能を設定する
  6. もし被害に遭ってしまったら、どこに相談すればいい?
  7. 自動音声詐欺について、よくある質問
    1. Q1. 留守番電話にメッセージが入っていた場合はどうすればいい?
    2. Q2. なぜ自分の電話番号が知られているの?
    3. Q3. 固定電話への対策はある?
    4. Q4. 一度でもボタンを押したら、もう手遅れ?
    5. Q5. 家族(特に親)にどうやって注意すればいい?
  8. まとめ
    1. 参考文献リスト

その電話、本物?急増する自動音声ガイダンス詐欺とは?

ある日突然、知らない番号から電話がかかってきて、機械的な音声が流れ出す。そんな経験、少し不気味ですよね。まずは、この「自動音声ガイダンス詐欺」が一体どのようなものなのか、その正体と仕組みを理解することから始めましょう。

そもそも「自動音声ガイダンス詐欺」とは、どんな詐欺なの?

自動音声ガイダンス詐欺とは、実在する大手通信会社や公的機関などを名乗り、自動音声の電話をかけてきて、金銭や個人情報をだまし取ろうとする詐欺のことです。

「未納料金があります」「あなたの情報が漏洩しています」などと不安を煽り、指示通りにボタンを操作させたり、偽の窓口に電話をかけさせたりするのが典型的なパターンです。

なぜ詐欺師は「自動音声」を使うの?

詐欺師が人間ではなく、わざわざ機械の音声を使うのには、明確な理由があります。1つは、一度にたくさんの電話を、効率よくかけられるからです。プログラムを使えば、人件費をかけずに、無差別に電話をかけ続けることができます。

もう1つの理由は、機械的な音声が、私たちに「公的な機関からの正式な連絡だ」と錯覚させやすいからです。冷静に考えればおかしいと分かることでも、突然の電話に動揺していると、つい信じてしまいがちになります。

「+」から始まる国際電話番号や非通知でかかってくる理由とは?

この手の詐欺電話は、「+1」や「+44」など、海外の国番号から始まる国際電話でかかってくることが非常に多いです。これは、詐欺グループの拠点が海外にあり、日本の警察の捜査から逃れるためです。

また、非通知でかかってくることもあります。いずれにせよ、見慣れない番号からの電話には、まず「詐欺かもしれない」と疑うことが大切です。

自動音声詐欺は、どんな手口であなたを騙そうとするの?

詐欺師は、私たちが「え、本当?」と信じてしまいそうな、巧妙なシナリオを用意しています。ここでは、実際に報告されている被害の中から、特に多い3つの手口を、具体的な音声ガイダンスの例と共に紹介します。

手口①:NTTファイナンスなどを名乗る「未納料金請求」

これは、最も古典的で多い手口です。NTTドコモやNTTファイナンスといった、実在する大手通信会社を名乗ります。

「こちらはNTTファイナンスです。ご利用料金について、お伝えしたいことがあります。オペレーターにお繋ぎしますので、1番を押してください」
この音声ガイダンスに従ってボタンを押すと、偽のオペレーターに繋がり、架空の未納料金を請求されます。

手口②:税関や大使館を名乗る「荷物トラブル通知」

国際電話でかかってくることが多いのが、この手口です。税関や、中国大使館などを名乗り、国際的なトラブルに巻き込まれたかのように装います。

「税関です。あなた宛の荷物から、違法なものが見つかりました。詳しい説明を聞く場合は、9番を押してください」
この後、偽の職員が登場し、「解決のためにはお金が必要だ」などと言って、金銭を要求してきます。

手口③:大手通販サイトを名乗る「会員登録の確認」

Amazonや楽天といった、多くの人が利用する通販サイトを名乗る手口も増えています。

「Amazonです。あなたのアカウントで、有料会員への登録が確認されました。心当たりがない場合は、オペレーターに繋ぎますので、2番を押してください」
心当たりがないからこそ、ついボタンを押してしまいそうになりますが、それが詐欺師の狙いです。偽のオペレーターが、あなたの個人情報やクレジットカード情報を巧みに聞き出そうとしてきます。

なぜ、つい「1」を押してしまうの?詐欺師が使う心理的な罠とは

「自分なら、そんなボタンは押さない」と思うかもしれません。しかし、いざ電話がかかってくると、多くの人が冷静な判断を失い、指示に従ってしまいます。そこには、詐欺師が仕掛けた3つの心理的な罠があります。

心理①:「未納」「差し押さえ」という言葉で不安を煽る

「料金が未納です」「このままだと財産を差し押さえます」といった言葉は、私たちを非常に不安な気持ちにさせます。人は、強い不安を感じると、「早くこの状況から抜け出したい」という一心で、正常な判断ができなくなってしまいます。

詐欺師は、この心理を悪用し、あなたをパニック状態に陥らせようとします。

心理②:機械的な音声で「公的機関からの連絡だ」と誤認させる

私たちは、役所や銀行からの電話で、自動音声ガイダンスを聞く機会があります。その経験から、「機械の音声=公的な連絡」というイメージを無意識に持っています。

詐欺師は、この思い込みを利用します。あえて感情のない機械的な音声を使うことで、その連絡が個人的なものではなく、信頼できる組織からの正式な通知であるかのように錯覚させるのです。

心理③:「オペレーターに繋ぐには1を」と次の行動を指示してくる

人間は、具体的な行動を指示されると、それに従いやすいという性質があります。自動音声ガイダンスは、「〇〇の場合は1を、△△の場合は2を」というように、私たちに選択肢を与え、次の行動を明確に指示してきます。

この指示に従うことで、私たちは無意識のうちに、詐欺師の作ったシナリオの上を歩かされてしまうのです。

もし、指示通りボタンを押してしまったら、どうなるの?

「つい、ボタンを押してしまった…」そんな時、一体何が起こるのでしょうか。ボタンを押したからといって、すぐに大きな被害が発生するわけではありません。しかし、それは詐欺の次のステップへの入り口です。

ケース①:詐欺師(オペレーター)に繋がり、個人情報を聞かれる

ボタンを押した後に繋がるのは、もちろん本物のオペレーターではありません。詐欺グループのメンバーが、オペレーターになりすまして電話口に登場します。そして、「ご本人様確認のため」などと言って、あなたの氏名、住所、生年月日、さらには銀行口座の暗証番号やクレジットカード情報などを巧みに聞き出そうとしてきます。

ケース②:高額な国際電話料金が発生する

かかってきた電話が国際電話だった場合、ボタンを押してオペレーターに繋がった瞬間から、高額な通話料が発生している可能性があります。詐欺師と話している時間が長ければ長いほど、後から思いもよらない金額が請求される危険があります。

ケース③:あなたの電話番号が「騙されやすいリスト」に登録される

ボタンを押すという反応を示したことで、あなたの電話番号は「この番号の持ち主は、詐欺の電話に反応する」と認識されてしまいます。その結果、あなたの番号は「カモリスト」として詐欺グループの間で売買され、今後、さらに多くの詐欺電話や迷惑メールが届くようになる可能性があります。

被害に遭わないために!自動音声電話がかかってきた時の正しい対処法とは?

巧妙な自動音声詐欺ですが、対処法は非常にシンプルです。難しいことは何もありません。この3つの対処法を覚えておけば、被害に遭うことはありません。

対処法①:何もせず、すぐに電話を切る

これが、唯一にして絶対の、最も正しい対処法です。自動音声が流れ始めたら、その内容がどんなに気になっても、どんなに不安を煽るものであっても、何も操作せずに、すぐに電話を切ってください。

対処法②:絶対にボタンを押したり、かけ直したりしない

「心当たりがないから、確認のために…」と思って、絶対に指示されたボタンを押したり、表示された番号にかけ直したりしてはいけません。あなたのそのアクションこそが、詐欺師の思う壺です。不安な場合は、必ず自分で調べた公式サイトや正規の電話番号に連絡して確認しましょう。

対処法③:スマートフォンの迷惑電話対策機能を設定する

お使いのスマートフォンや、契約している通信キャリアには、迷惑電話を自動で検知して警告したり、ブロックしたりする機能が備わっています。無料で利用できるものも多いので、この機会にぜひ設定を見直してみてください。危険な電話を、入り口でシャットアウトすることができます。

もし被害に遭ってしまったら、どこに相談すればいい?

万が一、お金を支払ってしまったり、個人情報を教えてしまったりした場合。絶対に一人で抱え込まず、すぐに以下の専門機関に相談してください。

相談窓口 電話番号 特徴
警察相談専用電話 #9110 犯罪被害の可能性がある場合に、専門の担当者が相談に乗ってくれる。
消費者ホットライン 188(いやや!) 契約トラブルや詐欺被害全般について、最寄りの消費生活センターを案内してくれる。
利用している通信キャリア (各社サイト参照) 迷惑電話のブロック設定や、高額請求に関する相談に乗ってくれる。

自動音声詐欺について、よくある質問

最後に、自動音声詐欺に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。正しい知識が、いざという時のあなたを助けます。

Q1. 留守番電話にメッセージが入っていた場合はどうすればいい?

留守番電話にメッセージが残っていた場合も、絶対にかけ直してはいけません。メッセージの内容が気になっても、それは詐欺の罠です。メッセージはそのまま削除して、着信履歴も消去してしまいましょう。

Q2. なぜ自分の電話番号が知られているの?

あなたの電話番号は、過去に利用したサービスからの情報漏洩や、名簿業者などを通じて、詐欺グループの手に渡っている可能性があります。また、プログラムを使って、電話番号を自動で生成し、無差別に発信しているケースも多いです。

Q3. 固定電話への対策はある?

はい、あります。常に留守番電話に設定しておくのが、最も簡単な対策です。犯人は、自分の声を録音されるのを嫌うため、留守番電話だと分かるとすぐに切ることが多いです。また、迷惑電話防止機能が付いた電話機に交換するのも非常に有効です。

Q4. 一度でもボタンを押したら、もう手遅れ?

いいえ、そんなことはありません。ボタンを押しただけなら、まだ直接的な金銭被害は発生していません。オペレーターに繋がっても、個人情報を教えたり、お金を振り込んだりする前であれば、すぐに電話を切れば大丈夫です。慌てず、冷静に対処してください。

Q5. 家族(特に親)にどうやって注意すればいい?

頭ごなしに「詐欺だから気をつけて」と言うだけでなく、「最近、NTTを名乗る自動音声の電話が増えてるらしいよ。かかってきても、何もせず、すぐに切ってね」というように、具体的な手口を伝えてあげることが大切です。また、迷惑電話防止機能付きの電話機をプレゼントするのも、効果的な方法です。

まとめ

自動音声ガイダンスによる詐欺は、私たちの「まさか」という油断や、突然のトラブルに対する不安な気持ちにつけ込む、非常に厄介な犯罪です。しかし、その手口は驚くほどパターン化されています。「公的機関」や「大手企業」を名乗り、「未納料金」や「トラブル」を告げ、あなたに行動を促す。この流れを覚えておくだけで、ほとんどの詐欺は見抜けるはずです。

一番の対策は、どんなに気になる内容でも、「自動音声の電話は、すべて詐欺。すぐに切る」と心に決めておくことです。そして、もし不安な気持ちが残るなら、電話の指示に従うのではなく、あなた自身で調べた正規の連絡先に問い合わせる。その冷静な一手間が、あなたの大切な財産を守るための、最も確実な方法です。

参考文献リスト

  • 「自動音声ガイダンスの電話は詐欺!」 – 警察庁
  • 「「NTTファイナンス」をかたる自動音声の電話にご注意ください」 – NTTファイナンス
  • 「国際電話番号による特殊詐欺にご注意ください」 – KDDI
  • 「自動音声ガイダンスなどで未納料金を請求するフィッシング詐欺にご注意ください」 – ソフトバンク