詐欺の手口

金の地金1億9千万円詐欺の手口|岐阜・大垣で起きた被害の全容

金の地金1億9千万円詐欺の手口|岐阜・大垣で起きた被害の全容 詐欺の手口
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2026年4月30日、岐阜県大垣市の80代男性が、警察官を名乗る人物らに金の地金約7.5キロをだまし取られたと発表されました。被害額はおよそ1億9千万円相当。岐阜県内で今年に入ってから最も大きな特殊詐欺の被害額です。

金の地金を狙った詐欺は、全国で急速に広がっています。手口はマイナンバーの流出を装った電話から始まり、貴金属を自宅玄関に置かせて回収するという、従来の振り込め詐欺とは異なる流れをたどります。この記事では、大垣の事件を軸に、手口の全体像と被害を防ぐための具体策をわかりやすく整理します。

  1. 岐阜・大垣で起きた1億9千万円詐欺事件とは?
    1. 被害者・被害額・発覚の経緯はどうなっていたか
    2. 事件が発表されたのはなぜ2月から3ヶ月後だったのか
    3. 岐阜県内でなぜ最大被害額となったか
  2. 詐欺師はどうやって接触してきたのか?
    1. 固定電話に「刑事・検事を名乗る男」から電話がきた理由とは
    2. マイナンバーカードの画像を偽造してメールで送りつけた手口とは
    3. 自宅にスマートフォンを郵送してきた目的とは
  3. 金の地金を使った詐欺の手順はどうなっているか
    1. 貸金庫から自宅へ金を移動させた心理的な誘導とは
    2. リュックに入れて玄関に置くよう指示した理由とは
    3. 犯人が直接取りに来る「手交型」とはどういう手口か
  4. なぜ80代男性がだまされてしまったのか
    1. 「マイナンバー流出」という言葉が与える心理的圧力とは
    2. 逮捕・犯罪者扱いへの恐怖を利用した誘導の仕組みとは
    3. 長期間にわたって騙され続けた背景にある心理とは
  5. 金の地金を狙う特殊詐欺はなぜ増えているのか
    1. 現金振り込みから金地金へと手口が変化した理由とは
    2. 金の価格高騰が詐欺被害拡大に与えた影響とは
    3. 全国での被害件数・被害額の推移はどうなっているか
  6. 同じ手口による被害は全国で起きているのか
    1. 他都府県での類似事件の概要と共通する手口とは
    2. 高齢者の貸金庫資産が狙われやすい構造的背景とは
    3. ニセ警察詐欺が被害総額の約7割を占めるとはどういうことか
  7. 「マイナンバー流出」を使った詐欺の見分け方とは
    1. 本物の警察・検察が電話で資産提出を求めることはあるか
    2. 偽造されたマイナンバーカード画像が届いたらどうすべきか
    3. 見知らぬ番号からの固定電話で絶対にしてはいけないこととは
  8. 金の地金を持つ高齢者家族へどう声をかけるべきか
    1. 資産の保管場所について親と話し合うタイミングとは
    2. 貸金庫の利用状況を家族が把握しておくべき理由とは
    3. 「少しでもおかしい」と感じたときに家族に相談させる方法とは
  9. 被害を受けた・怪しいと感じたときの相談先はどこか
    1. 警察相談ダイヤル「#9110」への連絡方法と対応内容とは
    2. 消費者ホットライン「188」で何を相談できるか
    3. すでに金を渡してしまった場合に最初にすべき行動とは
  10. 特殊詐欺被害を防ぐために今日からできる具体的な対策とは
    1. 固定電話への不審な着信を遮断する機器・設定とは
    2. 貴金属店で金を購入する際に確認される「購入目的」の背景とは
    3. 家族・近隣との情報共有が被害防止に有効な理由とは
  11. 警察・行政が進めている金地金詐欺への対策とは
    1. 警察庁が貴金属取扱業者に要請した対応内容とは
    2. 岐阜県警が実施している高齢者向け防犯活動の内容とは
    3. 金融機関での「全件通報」制度とはどのような仕組みか
  12. FAQ
    1. Q. 警察官や検事が電話で「金を渡してほしい」と言ってくることはあるか?
    2. Q. マイナンバーが流出したという電話が来たらどうすればいいか?
    3. Q. 金の地金を貸金庫に保管していること自体が危険なのか?
    4. Q. 家族が詐欺の被害を受けているかもしれないと思ったらどうすべきか?
    5. Q. 一度金を渡した後でも取り戻せる可能性はあるか?
  13. まとめ
    1. 参考文献

岐阜・大垣で起きた1億9千万円詐欺事件とは?

岐阜県大垣市で起きた事件は、被害の大きさだけでなく、手口の複雑さでも注目を集めています。ここではまず、事件の基本的な流れを確認します。

被害者・被害額・発覚の経緯はどうなっていたか

被害に遭ったのは、大垣市に住む80代の男性です。だまし取られた金の地金は約7.5キロ。時価にして約1億9千万円相当に上ります。

発覚のきっかけは、被害者本人ではなく親族への相談でした。男性が2026年4月30日に親族に話したことで、詐欺被害と判明。岐阜県警大垣署が特殊詐欺事件として捜査を始めました。

事件が発表されたのはなぜ2月から3ヶ月後だったのか

詐欺師からの最初の電話があったのは2026年2月下旬のことです。金を持ち去られたのは3月。それから約1ヶ月以上が経過した4月30日まで、男性は誰にも相談できていませんでした。

これは珍しいことではありません。詐欺師は被害者を「秘密にしなければならない状況」に追い込みます。「警察に話すと逮捕される」「家族に知られると迷惑をかける」といった言葉で孤立させ、発覚を遅らせるのです。

岐阜県内でなぜ最大被害額となったか

岐阜県内では過去にも高額の特殊詐欺被害が報告されてきました。それでも今回の1億9千万円という金額は、2026年に入ってから最大です。

背景には、被害者が金の地金という換金性の高い資産を保有していたという点があります。現金や預貯金を狙う詐欺では金融機関の窓口対策が功を奏しているケースが増えています。一方、貴金属は銀行員の目に触れず動かせるため、詐欺師にとって狙いやすい標的になっています。

詐欺師はどうやって接触してきたのか?

事件の入口となったのは、1本の電話です。ここからどう騙しが進んでいったか、接触の手順を順に見ていきます。

固定電話に「刑事・検事を名乗る男」から電話がきた理由とは

2026年2月下旬、男性の自宅の固定電話に「刑事」と「検事」を名乗る男2人から電話がありました。内容は「あなたのマイナンバーカードが流出している」というものです。

固定電話が使われる理由は、高齢者の多くが自宅の固定電話を信頼しているからです。スマートフォンの知らない番号よりも、固定電話にかかってきた電話のほうを「公的機関からの連絡」と感じやすい心理が利用されています。

マイナンバーカードの画像を偽造してメールで送りつけた手口とは

電話の後、男性のパソコンのメールアドレスに画像が届きました。偽造されたとみられる、男性の名義のマイナンバーカードの画像です。

視覚的な証拠を見せることで、不安を確信に変えます。「電話だけでは信じないかもしれない」と考えた詐欺師が、「実際に見せる」という心理的な追い打ちをかけることで、被害者を一気に追い詰めます。文書や画像が届くと、多くの人は「本物かもしれない」と感じてしまうのです。

自宅にスマートフォンを郵送してきた目的とは

さらに、詐欺師はレターパックで男性の自宅にスマートフォンを送ってきました。「このスマホで連絡を取り合いなさい」という指示付きで。

これには明確な目的があります。家族や知人には知られたくない「専用の連絡手段」を確保するためです。通常の電話では家族に会話を聞かれる可能性があります。専用スマホを渡すことで、被害者を詐欺師だけが繋がれる閉じた環境に引き込みます。

金の地金を使った詐欺の手順はどうなっているか

接触が成功した後、詐欺師はどうやって金の地金を奪ったのでしょうか。回収までの流れを整理します。

貸金庫から自宅へ金を移動させた心理的な誘導とは

詐欺師は男性に対し、「金融機関の貸金庫に保管していた金の延べ棒を自宅に持ち帰るよう」指示しました。

「捜査の証拠として確認が必要」「あなたの資産が危険にさらされている」などと告げ、銀行員の目が届く貸金庫から、無防備な自宅へと金を移動させました。被害者にとっては「自分の財産を守るための行動」のつもりだった点が、この手口の巧妙さです。

リュックに入れて玄関に置くよう指示した理由とは

自宅に金を持ち帰った男性は、詐欺師の指示に従い、2026年3月、リュックに金の延べ棒を入れて玄関の外に置きました。その後、何者かが持ち去りました。

なぜ「玄関の外に置く」なのか。それは、詐欺師が直接インターホンを鳴らすリスクを避けるためです。被害者と顔を合わせず、かつ確実に受け取れる。受け渡しの痕跡も残りにくい。非常に計算された回収方法です。

犯人が直接取りに来る「手交型」とはどういう手口か

警察庁のデータによれば、金の地金を狙う詐欺の約9割が「手交型」、つまり犯人側が直接受け取りに来る手口です。ATMや銀行振り込みではなく、現物を直接奪い取ることで追跡を困難にします。

金の地金は換金性が高く、しかも重量当たりの価値が非常に大きい。現金1億円を運ぶよりも、金7.5キロを運ぶほうが目立たず、転売も容易です。詐欺師たちが金に着目した背景には、こうした実務的な理由があります。

なぜ80代男性がだまされてしまったのか

「なぜ騙されるのか」という問いに対して、「高齢だから」と片付けるのは正確ではありません。詐欺師が仕掛ける心理的な構造を知ることが大切です。

「マイナンバー流出」という言葉が与える心理的圧力とは

「あなたのマイナンバーが流出して犯罪に使われている」という言葉は、多くの人にとって具体的な恐怖を引き起こします。

マイナンバーは行政・金融・医療と連動した個人情報です。「流出した」と告げられると、「自分が知らない間に犯罪者扱いされるかもしれない」という漠然とした不安が一気に膨らみます。正確な知識がないほど、その恐怖は強くなります。

逮捕・犯罪者扱いへの恐怖を利用した誘導の仕組みとは

詐欺師が「刑事」や「検事」を名乗るのは意図的です。逮捕・起訴という言葉が出た瞬間、人は冷静な判断力を失いやすくなります。

「協力しなければ逮捕される」「資産を提出すれば身の潔白を証明できる」という構図を作り上げることで、被害者を「犯罪を避けるための行動をしている」と錯覚させます。だまされているのではなく、自分を守っているという認識のまま、金を手放してしまうのです。

長期間にわたって騙され続けた背景にある心理とは

今回の事件では、2月から3月にかけて被害が続きました。一度信じてしまうと、後から疑うことが難しくなります。

これを心理学では「コミットメントの一貫性」と呼びます。人は一度自分がとった行動を正しいと思い続けようとします。「あれだけ協力したのだから、本物のはず」という心理が、被害を長引かせる大きな要因です。

金の地金を狙う特殊詐欺はなぜ増えているのか

今回の事件は岐阜だけの話ではありません。全国で金の地金を狙う詐欺が急増しています。その背景を確認します。

現金振り込みから金地金へと手口が変化した理由とは

かつての特殊詐欺の主流は、ATMや銀行振り込みで現金を騙し取る手口でした。しかし現在、金融機関による高齢者への声かけや、ATM付近での警戒が強化されています。

詐欺グループは常に「より成功確率の高い方法」を模索しています。銀行の窓口対策が効くようになったからこそ、金の地金という迂回ルートに移行しました。貴金属は「家族にも相談せずに動かせる」という点が、詐欺師にとって都合が良い資産形態です。

金の価格高騰が詐欺被害拡大に与えた影響とは

2024年以降、金の価格は大幅に上昇しています。同じ重さの金でも、以前より高い現金に換えられます。

これは詐欺師にとっての「効率アップ」を意味します。被害者1人から奪える金額が大きくなることで、犯行グループが金の地金に狙いを絞る動機がさらに強まっています。

全国での被害件数・被害額の推移はどうなっているか

警察庁の発表(令和7年11月末時点)によると、金の地金を狙うニセ警察詐欺の認知件数は121件、被害総額は36.8億円に達しています。

指標 数値
認知件数(令和7年11月末) 121件
被害総額 36.8億円
1件あたりの平均被害額 約3,039万円
手交型の割合(件数) 約9割(105件)
手交型の割合(金額) 約8割(29.2億円)

1件あたりの平均被害額が約3,039万円というのは、他の特殊詐欺と比べてはるかに高い水準です。

同じ手口による被害は全国で起きているのか

岐阜の事件は、孤立した出来事ではありません。全国で類似の被害が続いています。

他都府県での類似事件の概要と共通する手口とは

2024年6月から12月にかけて、少なくとも10都府県で21件、合計9億円超の金の地金詐欺被害が確認されています。

京都では高齢男性が約1億円を7.4キロの金塊に換えて玄関に置き、持ち去られました。仙台では70代女性が2億円相当の金塊約13キロの被害に遭っています。手口は各地でほぼ同一です。「警察・検察を名乗る電話」「資産の証拠提出を求める」「自宅玄関への置き去り」という流れが繰り返されています。

高齢者の貸金庫資産が狙われやすい構造的背景とは

金の地金を貸金庫に保管している層は、資産を持つ高齢者が中心です。詐欺師が「貸金庫の中身を出すよう指示する」背景には、被害者像の分析があります。

資産を持つ高齢者は、現金化しやすい実物資産を保管している可能性が高い。かつ、金融機関での振り込みを伴わないため、窓口で止められるリスクが低い。詐欺グループが高齢者の貸金庫を標的にするのは、この合理性によるものです。

ニセ警察詐欺が被害総額の約7割を占めるとはどういうことか

警察庁の同資料によれば、特殊詐欺全体の被害のうち、ニセ警察詐欺だけで約7割(831.9億円)を占めています。

これは「警察・検察・税務署などを名乗る」という手口が、依然として最も高い成功率を持つことを示しています。公的機関への信頼が、詐欺師に利用されている現実があります。

「マイナンバー流出」を使った詐欺の見分け方とは

「マイナンバーが流出した」という言葉が出たとき、どう対処すればよいか。判断基準を整理します。

本物の警察・検察が電話で資産提出を求めることはあるか

結論から言えば、絶対にありません。警察官や検察官が電話で「資産を提出してください」「金を玄関に置いてください」と指示することは、法律上あり得ません。

正式な捜査では、書面での令状提示・本人の同意・記録の作成が必要です。電話一本でこうした手続きが進むことはなく、「電話で資産の提出を求めてきたら詐欺」と断定してかまいません。

偽造されたマイナンバーカード画像が届いたらどうすべきか

詐欺師がメールで送ってくる「マイナンバーカードの画像」は偽造物です。リアルに見えるように加工されていますが、本物である必要はありません。

画像が届いた場合、まず電話を切り、家族か警察相談ダイヤルに連絡してください。自分で真偽を確かめようとすると、詐欺師がさらに深く関与してきます。「判断は自分でしない」ことが最初のステップです。

見知らぬ番号からの固定電話で絶対にしてはいけないこととは

  • 名前・住所・生年月日を答える
  • 「マイナンバーが流出している」という話に乗り続ける
  • 指示通りに金融機関へ行く
  • 家族に内緒にする約束をする

この4つが重なった時点で、詐欺の可能性が極めて高い状態です。いずれか1つでも当てはまると感じたら、その場で電話を終わらせてください。

金の地金を持つ高齢者家族へどう声をかけるべきか

被害を防ぐうえで、家族の関与は非常に重要です。どう声をかければよいか、具体的に見ていきます。

資産の保管場所について親と話し合うタイミングとは

「資産の話を親にするのは難しい」と感じる方は多いでしょう。ただ、タイミングさえ選べば難しくありません。

ニュースで詐欺事件が報道されたとき、その話題を入口にするのが自然です。「こんな事件があったけど、気をつけてね」という会話から始め、「貴金属や貸金庫があれば、もし何かあったときに教えてほしい」と伝えておくだけで、被害の早期発見につながります。

貸金庫の利用状況を家族が把握しておくべき理由とは

今回の事件では、被害者が貸金庫から金を持ち帰るという行動を、誰にも気づかれずに行っていました。

家族が貸金庫の有無・保管物を把握していれば、「急に貸金庫に行く」という不自然な行動に気づける可能性があります。すべての資産内容を共有する必要はありませんが、「何かを保管しているかどうか」だけでも知っておくことが防犯になります。

「少しでもおかしい」と感じたときに家族に相談させる方法とは

「家族に心配をかけたくない」という気持ちが、被害者を沈黙させます。詐欺師はそれを知ったうえで「秘密にするよう」指示します。

日頃から「おかしな電話が来たら教えてね」と繰り返しておくことが大切です。

「また変な電話があってさ、○○って言ってきたんだけど、どう思う?」

このくらい気軽に話せる関係性を作っておくことが、最大の防犯対策になります。

被害を受けた・怪しいと感じたときの相談先はどこか

詐欺の疑いがある場合、どこに相談すればよいかをまとめます。

警察相談ダイヤル「#9110」への連絡方法と対応内容とは

#9110は、犯罪被害の相談専用の警察ダイヤルです。「被害に遭っているかわからない」という段階でも相談できます。

全国どこからでもかけられ、最寄りの警察相談窓口につながります。「怪しい電話があった」「金を渡してしまったかもしれない」という時点での早期相談が、被害拡大を防ぎます。

消費者ホットライン「188」で何を相談できるか

188(いやや)は、消費者庁が運営する相談窓口です。詐欺被害・悪質商法・金銭トラブルなど、幅広い相談を受け付けています。

「警察に言うほどのことかわからない」と感じた場合でも、188に電話すれば適切な窓口を案内してもらえます。気軽に使える一次相談先として覚えておいてください。

すでに金を渡してしまった場合に最初にすべき行動とは

すでに金を渡してしまっていたとしても、諦める必要はありません。

まず取るべき行動はこの順序です。

  1. すぐに最寄りの警察署または#9110に連絡する
  2. 金を渡した日時・方法・受け渡し場所を書き留める
  3. 詐欺師とのやりとりに使ったスマホ・メールを保存する
  4. 家族に状況を説明する

時間が経つほど捜査が難しくなります。「もう遅い」と思わず、気づいた時点で動いてください。

特殊詐欺被害を防ぐために今日からできる具体的な対策とは

対策は複雑ではありません。今日から始められることを整理します。

固定電話への不審な着信を遮断する機器・設定とは

固定電話に「自動通話録音機」を設置すると、電話がかかってきた際に「この通話は録音されます」というアナウンスが流れます。

詐欺師は録音を嫌います。アナウンスが流れると、相手が電話を切るケースが多いとされています。自治体によっては無料または低コストで配布・貸し出しを行っているため、まず地元の市区町村に問い合わせてみてください。

貴金属店で金を購入する際に確認される「購入目的」の背景とは

警察庁は2024年12月以降、貴金属取扱業者に対し、客が金を購入する際に購入目的を確認するよう協力を求めています。

田中貴金属などの主要業者も、来店客が詐欺被害に遭っている可能性がある場合は警察に連絡する対応をとっています。「金を買うよう指示された」という場合、店舗側が被害を止めてくれるケースもあります。

家族・近隣との情報共有が被害防止に有効な理由とは

岐阜県警を含む全国の警察では、高齢者世帯への訪問防犯指導を実施しています。防犯ステッカーの貼付や、詐欺の手口を直接説明する取り組みが進んでいます。

地域のつながりも有効です。近所の人が「最近おかしな業者が来ていないか」「不審な電話はないか」と声をかけ合うだけで、被害の早期発見につながります。詐欺師が最も苦手とするのは、孤立していない状態の被害者です。

警察・行政が進めている金地金詐欺への対策とは

個人の対策だけでなく、警察・行政・金融機関も対応を進めています。その内容を把握しておくことが、社会全体の防犯意識を高めます。

警察庁が貴金属取扱業者に要請した対応内容とは

警察庁は2024年12月以降、ウェブサイトでの注意喚起に加え、貴金属取扱業者に「接客時に購入理由を確認する」よう協力を求めています。

これは窓口対策の「貴金属版」として機能します。ATMや銀行窓口で詐欺を止めるのと同じ発想で、金の購入という行動の段階で被害を食い止めようとする仕組みです。

岐阜県警が実施している高齢者向け防犯活動の内容とは

岐阜県警では、主に高齢者世帯に警察官が直接赴く訪問防犯指導を実施しています。手口の説明と、防犯指導済みを示すステッカーの貼付が行われています。

「ニセ電話詐欺防犯指導済」のステッカーが玄関にあるだけでも、詐欺師が接触を避ける抑止効果が期待できます。地元の交番や警察署に相談すれば、訪問指導の申し込みができます。

金融機関での「全件通報」制度とはどのような仕組みか

岐阜県では、県内の金融機関において高齢者による高額な引き出しがあった場合、金融機関職員が警察に通報し、警察官が直接確認を行う「全件通報」の取り組みが進んでいます。

ただし、今回の事件のように貸金庫から金の地金を取り出す行動は、この通報の対象になりにくいという課題もあります。「現金の引き出し」ではなく「保管物の持ち出し」である点が、水際対策の盲点となっています。

FAQ

Q. 警察官や検事が電話で「金を渡してほしい」と言ってくることはあるか?

ありません。警察官・検察官が電話で資産の提出を求めることは、法律上あり得ません。「電話で資産を渡すよう求めてきた場合は詐欺」と判断して問題ありません。

電話を切り、自分で番号を調べた警察署や消費者ホットライン(188)に確認してください。電話口の相手に言われた番号に折り返すのは危険です。

Q. マイナンバーが流出したという電話が来たらどうすればいいか?

まず電話を切ることが最優先です。「マイナンバーが流出した」という言葉は、詐欺の典型的な入口として知られています。

万が一流出が本当に心配な場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に問い合わせてください。電話口の人物の指示に従う必要はありません。

Q. 金の地金を貸金庫に保管していること自体が危険なのか?

保管すること自体は問題ありません。ただし、「外部の指示で貸金庫から持ち出す」という状況が危険です。

正当な理由で貸金庫の中身を動かす場合、公的機関が電話1本で指示することはありません。「指示に従って持ち出す」行動が発生した時点で、詐欺を疑うべきサインです。

Q. 家族が詐欺の被害を受けているかもしれないと思ったらどうすべきか?

まず本人と穏やかに話す機会を作ってください。責めるよりも「最近変な電話なかった?」と聞くほうが本音が出やすいです。

不審な点が確認できたら、本人と一緒に#9110または最寄りの警察署に相談することを勧めてください。被害が続いている可能性がある場合は、1人で判断せずに専門機関に委ねることが大切です。

Q. 一度金を渡した後でも取り戻せる可能性はあるか?

状況によっては、捜査の進展により犯人の財産から弁済を求められるケースがあります。ただし、回収が保証されるわけではありません。

早期の警察への届け出が、回収の可能性を高める唯一の手段です。「もう取り返せない」と諦めずに、まず届け出ることを優先してください。

まとめ

今回の岐阜・大垣の事件は、金の地金を狙った特殊詐欺が持つ構造的な問題を明確に示しています。現金への振り込み対策が進む一方で、貴金属という「銀行の目が届かない資産」に詐欺グループが移行している事実は、既存の対策だけでは不十分であることを示しています。

「警察が電話で資産を求めることはない」という知識を、高齢の家族に伝えておくことが今できる最も現実的な対策です。電話1本が来たときに「まず切って家族に相談する」という行動パターンが頭に入っているかどうかで、被害を防げるかどうかが大きく変わります。自宅の固定電話への対策と、家族間での日頃の会話。この2つを今日から意識してみてください。

参考文献

  • 「岐阜 大垣 約1億9000万円相当の金 だまし取られる被害」 – NHKニュース
  • 「特殊詐欺で1億9千万円相当の金の地金だまし取られる 岐阜県内で今年最大被害額」 – 中日新聞Web
  • 「特殊詐欺、1億9千万円の被害 金の延べ棒、岐阜」 – 共同通信/Yahoo!ニュース
  • 「警察官等をかたり「金地金」を詐取する特殊詐欺について」 – 警察庁
  • 「「金塊に換えて」詐欺注意 10都府県で被害9億円超」 – 日本経済新聞
  • 「特殊詐欺等被害防止対策」 – 岐阜県公式ホームページ
  • 「警察官を装い金地金をだまし取る詐欺が増加中」 – ウイルスバスター セキュリティトピックス(警察庁令和7年11月末データ引用)
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