海外旅行の予定が決まると、まず気になるのがパスポート申請のお金ですよね。手数料はいくらなのか。いつ、どうやって払うのか。初めてだと分からないことだらけです。
実は2026年7月1日の申請分から、パスポートの手数料は大きく引き下げられました。この記事では、パスポート申請に必要なお金の総額、支払いのタイミング、安く抑えるコツまで順番に解説します。読み終えるころには、財布に用意すべき金額がはっきり分かります。
パスポート申請のお金はいくら?改定後の手数料一覧
最初に結論からお伝えします。2026年7月1日以降の申請分には、新しい手数料が適用されています。年齢と申請方法で金額が変わるので、まず自分がどの区分に当てはまるかを確認しましょう。
18歳以上(10年用)の手数料
18歳以上の方が申請できるのは10年用パスポートです。手数料はオンライン申請で8,900円、窓口申請で9,300円になりました。改定前は15,900円〜16,300円だったので、7,000円の引き下げです。
| 申請方法 | 改定後(2026年7月1日〜) | 改定前 |
|---|---|---|
| オンライン申請 | 8,900円 | 15,900円 |
| 窓口申請 | 9,300円 | 16,300円 |
「1万円を切った」というのが今回の改定のポイントです。これまで費用がネックで取得を見送っていた方にとって、ハードルはぐっと下がりました。
18歳未満(5年用)の手数料
18歳未満の方は5年用パスポートのみ申請できます。手数料はオンライン申請で4,400円、窓口申請で4,800円です。年齢による細かい区分はなくなり、18歳未満は一律この金額になりました。
| 申請方法 | 改定後(2026年7月1日〜) |
|---|---|
| オンライン申請 | 4,400円 |
| 窓口申請 | 4,800円 |
12歳以上18歳未満の方は、改定前の10,900円〜11,300円から6,500円も安くなっています。中高生の修学旅行や留学の準備が、以前よりずっとしやすくなりました。
オンライン申請と窓口申請の金額差
どの区分でも、オンライン申請のほうが窓口申請より400円安くなります。これは都道府県手数料の割引によるものです。
400円の差は小さく感じるかもしれません。ただ、オンライン申請には金額以外のメリットもあります。詳しくは後述しますが、窓口に行く回数が減り、書類の準備も楽になります。迷ったらオンラインを選んでおけば間違いありません。
パスポートの手数料が安くなった理由とは?
「なぜ急に半額近くまで下がったの?」と疑問に思う方も多いはずです。背景には法改正と、日本のパスポート保有率の低さがあります。ここでは改定の中身を整理します。
2026年7月1日から適用された旅券法改正の内容
手数料の引き下げは、旅券法と旅券法施行令の改正によるものです。新しい手数料は、日本時間の2026年7月1日午前0時以降に受理された申請分から適用されています。
引き下げられたのは、手数料のうち国が徴収する部分です。手数料は「国の手数料」と「都道府県の手数料」の合計で構成されています。この国の取り分が大きく下がったことで、支払い総額が減った仕組みです。
18歳以上の5年用パスポートが廃止された背景
今回の改定で、18歳以上が選べた5年用パスポートは廃止されました。18歳以上は10年用に一本化されています。
10年用が8,900円なら、5年用を残す意味はほとんどありません。改定前の5年用は10,900円でした。つまり新しい10年用は、旧5年用より安くて有効期間が2倍です。選択肢が減ったというより、迷う必要がなくなったと考えるのが正確です。
2026年6月30日以前に申請した場合の手数料はどうなる?
注意したいのが適用のタイミングです。基準は「申請日」であり、「受取日」ではありません。
2026年6月30日以前に申請したパスポートは、受け取りが7月1日以降になっても旧手数料が適用されます。「受け取りを7月まで待てば安くなる」ということはないので、勘違いしないようにしましょう。
パスポート申請のお金はいつ払う?支払いのタイミング
意外と知られていないのが、支払いのタイミングです。申請の窓口で財布を出す必要はありません。お金が必要になるのは、もう少し後の段階です。
支払いは申請時ではなく受取時
パスポートの手数料は、申請時ではなく受取時に支払います。申請の日は書類と本人確認ができれば、お金はかかりません。
つまり申請から受け取りまでの間に、手数料を準備すれば間に合います。「申請の日に現金を忘れた」と焦る必要はないわけです。この仕組みを知っておくだけで、当日の不安がひとつ減ります。
受取当日に必要な持ち物
受取当日に必要なのは、主に次の2点です。
- 申請時に渡される旅券引換書(受理票)
- 手数料(現金、または都道府県が指定する支払い手段)
パスポートは年齢に関係なく、本人でなければ受け取れません。赤ちゃんでも本人の出頭が必要です。家族の分を代理で受け取ることはできないので、受取日はスケジュールを合わせておきましょう。
6か月以内に受け取らないと手数料が6,000円加算される
もうひとつ大事な注意点があります。パスポートは発行から6か月以内に受け取らないと失効します。これを未交付失効と呼びます。
しかも失効させた場合、失効後5年以内の再申請では手数料が通常より6,000円高くなります。2023年3月27日以降の申請分から適用されているルールです。せっかく安くなった手数料が台無しになるので、受け取りは必ず期限内に済ませてください。
パスポート手数料の支払い方法とは?
「クレジットカードは使えるの?」という質問はとても多いです。答えは申請方法によって変わります。ここでは手数料の内訳と、支払い手段の違いを整理します。
手数料の内訳(国の収入印紙と都道府県手数料)
手数料は2つのお金の合計です。国に納める分と、都道府県に納める分に分かれています。
窓口で支払う場合、国の分は収入印紙で納めます。収入印紙は受取窓口の近くにある販売所や郵便局で購入できます。都道府県の分は、現金納付の地域もあれば、キャッシュレス決済を導入している地域もあります。内訳を意識する必要があるのは、この支払い方法が別々だからです。
窓口申請の場合の支払い方法
窓口申請(紙の申請書での申請)の場合、支払いは原則として現金のみです。東京都では窓口でのクレジットカードやQRコード決済は使えません。
一方で埼玉県のように、県手数料分はキャッシュレス決済を指定している地域もあります。支払い方法は都道府県ごとに差があるので、受け取りに行く前に自分の地域のパスポートセンターのページを確認しておくと安心です。
オンライン申請ならクレジットカード払いが選べる
オンライン申請をした方は、クレジットカードで手数料を支払えます。国の分と都道府県の分をまとめてカード決済できる地域が多く、収入印紙を買う手間がありません。
事前にマイナポータル上でカード情報を登録しておく形です。ただし領収書が発行されない点には注意してください。経費精算などで領収書が必要な方は、現金払いを選んだほうが確実です。
手数料以外にかかるお金とは?費用の内訳
パスポート申請のお金は、手数料だけでは終わりません。写真代や書類の取得費用など、細かい出費が積み重なります。総額のイメージを持っておきましょう。
証明写真代の目安
パスポートには規格に合った顔写真が必要です。費用の目安は次のとおりです。
- 駅などのスピード写真機:700円〜1,000円程度
- 写真館・写真スタジオ:2,000円前後
規格外の写真は撮り直しになることがあります。サイズや背景、顔の向きの条件は厳格です。撮り直しの二度手間を考えると、規格対応をうたう写真機や写真館を選ぶのが結果的に安上がりです。
戸籍謄本の取得費用(新規申請の場合)
窓口で新規申請する場合は、戸籍謄本の原本が必要です。取得費用は1通450円が基本です。
本籍地が遠方だと、郵送請求の切手代や定額小為替の手数料も上乗せされます。コンビニ交付に対応している自治体なら、マイナンバーカードを使って安く取得できる場合もあります。本籍地の自治体の案内を確認してみてください。
交通費や住民票など、そのほかの実費
見落としがちなのが交通費です。窓口申請では、申請と受け取りで最低2回パスポートセンターに足を運びます。往復の交通費も立派なコストです。
住民登録地以外で申請する居所申請などでは、住民票が必要になるケースもあります。手数料と合わせると、大人1人の総額はおおよそ10,000円〜12,000円程度が現実的な目安です。
パスポート申請のお金を安くする方法とは?
同じパスポートを作るなら、少しでも安く済ませたいものです。実は申請方法の選び方だけで、お金も手間も削れます。今日から使える節約のポイントを3つ紹介します。
オンライン申請なら窓口より400円安い
最も確実な節約は、オンライン申請を選ぶことです。どの年齢区分でも窓口申請より400円安くなります。
家族4人なら、それだけで1,600円の差です。しかもオンライン申請なら、窓口に出向くのは受取時の1回だけで済みます。交通費も1回分浮くので、実質的な節約額は400円以上になります。
オンライン申請なら戸籍謄本の紙提出が不要になる
2025年3月から、全ての都道府県でオンラインでの新規申請が可能になりました。ここで大きいのが戸籍の扱いです。
オンラインの新規申請では、戸籍情報がシステム連携されるため、紙の戸籍謄本の提出が不要です。戸籍謄本の450円と、取り寄せの手間がまるごと消えます。本籍地が遠い方ほど、この恩恵は大きくなります。
証明写真の費用を抑えるコツ
写真代を抑えたいなら、スピード写真機で十分です。パスポート規格に対応した機種を選べば、写真館の半額以下で済みます。
オンライン申請なら、さらに費用を下げられます。マイナポータルアプリのカメラで顔写真を撮影して提出できるためです。規格の条件は自動でチェックされます。明るい場所で無地の背景を用意すれば、写真代は実質0円にできます。
オンライン申請のやり方と必要なもの
ここまで読んで「オンラインのほうが得」と感じた方も多いはずです。では実際に何を準備すればよいのでしょうか。必要なものと流れを確認します。
マイナンバーカードとマイナポータルアプリを準備する
オンライン申請に必要なのは、次の2つです。
- マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)
- マイナポータルアプリを入れたスマートフォン
パソコンから申請する場合も、カードの読み取りにはスマートフォンが必要です。署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16桁)も使うので、思い出しておきましょう。忘れた場合は市区町村の窓口で再設定できます。
申請から受取までの流れ
申請の流れはシンプルです。マイナポータルのトップページから「パスポート」を選び、案内に沿って進めます。
- 申請する手続きと受取窓口を選ぶ
- アプリのカメラで顔写真と自署(サイン)を撮影する
- マイナンバーカードを読み取り、申請データを送信する
審査が終わると、交付予定日がマイナポータルの「やること」に通知されます。あとは通知された日以降に、引換の案内と手数料を持って受け取りに行くだけです。
クレジットカード払いの注意点
オンライン申請のカード払いには、いくつか注意点があります。まず、支払い後の領収書は発行されません。
また、申請内容に不備があると審査が中断します。申請者が補正の対応を終えるまで審査は止まったままなので、交付日も後ろにずれます。送信前の入力確認は丁寧に行いましょう。カード登録を忘れた場合は、窓口で現金払いに切り替えられる地域もあります。
ケース別の手数料:更新・紛失・記載事項変更
パスポートのお金は、新規取得だけの話ではありません。更新や紛失、結婚による氏名変更など、状況によってかかる金額が変わります。ケース別に見ていきましょう。
更新(切替申請)にかかるお金
有効期間が1年未満になった場合などに行うのが切替申請です。手数料は新規申請とまったく同じです。
18歳以上なら10年用でオンライン8,900円、窓口9,300円です。「更新だから安くなる」という制度はありません。査証欄の余白が少なくなった場合も、切替申請で新しいパスポートに作り直せます。
紛失・焼失で再発行する場合のお金
パスポートを紛失・焼失した場合は、まず紛失届を出します。そのうえで新規の発給申請を行う流れです。
このときの手数料も新規申請と同額です。紛失に対するペナルティ料金はありませんが、届け出や書類準備の手間は増えます。なお、申請から受取までの間に紛失した場合は、紛失届の処理が終わるまで新しいパスポートを受け取れません。
残存有効期間同一旅券・記載事項変更のお金
結婚で氏名が変わった場合や、査証欄の余白がなくなった場合には、もうひとつ選択肢があります。残存有効期間同一旅券です。今のパスポートと同じ有効期限で、新しい冊子を作る方法です。
手数料はオンライン申請で5,400円、窓口申請で5,800円です(18歳未満は申請不可)。有効期間が長く残っているなら、10年用に切り替えるよりこちらが安く済みます。残りの期間と金額を比べて選びましょう。
子どものパスポートにかかるお金は?
家族旅行の準備では、子どもの分の費用も気になるところです。改定で子どもの手数料は分かりやすくなりました。家族全員の合計イメージまで計算してみます。
18歳未満は一律5年用パスポート
18歳未満の方が持てるのは5年用パスポートだけです。子どもは成長で顔立ちが大きく変わるため、有効期間が短く設定されています。
手数料はオンライン4,400円、窓口4,800円です。赤ちゃんでも本人名義のパスポートが必要で、家族のパスポートに子どもを載せる仕組みはありません。人数分の手数料がかかると覚えておきましょう。
12歳未満の料金区分は廃止された
改定前は「12歳以上18歳未満」と「12歳未満」で金額が分かれていました。2026年7月1日以降、12歳未満の料金区分は廃止され、18歳未満は一律料金になっています。
12歳未満は5,900円から4,400円へ1,500円の値下げです。中高生の区分は6,500円も下がりました。子どもの年齢で料金表を読み分ける必要がなくなり、計算はずっと簡単になっています。
家族4人で申請した場合の合計金額の例
夫婦と子ども2人(ともに18歳未満)の4人家族で計算してみます。全員オンライン申請の場合は次のとおりです。
| 申請者 | 種別 | 手数料 |
|---|---|---|
| 父 | 10年用 | 8,900円 |
| 母 | 10年用 | 8,900円 |
| 子2人 | 5年用 | 4,400円×2 |
| 合計 | 26,600円 |
窓口申請なら合計28,200円です。改定前の同じ構成では50,000円を超えていたので、家族単位では2万円以上の負担減になっています。写真代などの実費を足しても、3万円あれば余裕を持てる計算です。
申請から受取までの日数と注意点
お金の準備と同じくらい大切なのが、日数の見積もりです。特に手数料改定後は申請が集中しています。旅行の日程から逆算して、早めに動きましょう。
通常の交付日数の目安
国内での申請では、受理から交付まで通常は約2週間かかります。土日祝日や年末年始は日数に含まれません。
書類に不備があると、そのぶん受け取りは遅れます。オンライン申請でも、補正が必要になると対応が終わるまで審査が止まります。「2週間ぴったり」ではなく、余裕を見た計画が基本です。
手数料改定直後は約1か月かかる場合がある
外務省は、2026年7月1日以降の申請について注意を呼びかけています。値下げを待っていた人の申請が集中し、交付まで3週間から1か月程度かかる可能性があるためです。
これはオンライン申請でも窓口申請でも変わりません。夏休みなどの渡航を控えている方は、出発日の1か月半前を目安に申請しておくと安心です。混雑状況によっては早く交付される場合もありますが、期待して予定を組むのは危険です。
「パスけん」で受取可能日を確認する方法
自分のパスポートがいつ受け取れるかは、パスポート受取可能日検索システム「パスけん」で確認できます。外務省や各都道府県の旅券事務所のページから利用できます。
使い方は簡単です。申請先の旅券事務所を指定し、受理番号を入力するだけです。オンライン申請の場合は、マイナポータルの「やること」に届く通知でも交付予定日が分かります。受け取りに行く前に、必ずどちらかで確認しておきましょう。
パスポート申請のお金に関するよくある質問(FAQ)
最後に、パスポート申請のお金についてよく寄せられる質問をまとめます。細かい疑問はここで解消してください。
手数料は現金以外でも払えますか?
オンライン申請なら、クレジットカードで支払えます。国の手数料と都道府県の手数料をまとめて決済できる地域が多いです。
窓口申請の場合は原則現金です。ただし都道府県手数料の部分だけキャッシュレス決済を導入している地域もあります。支払い手段は都道府県ごとに違うので、受取先のパスポートセンターの案内を確認してください。
収入印紙はどこで買えますか?
収入印紙は郵便局で購入できます。多くのパスポートセンターでは、受取窓口と同じフロアや近くに販売所が設けられています。
販売所での支払いは現金のみの場合がほとんどです。受け取り当日にその場で買えるので、事前に用意しておく必要はありません。ただし、事前に郵便局で購入した収入印紙も使えます。
申請後にキャンセルした場合、お金はかかりますか?
手数料の支払いは受取時なので、受け取らなければ手数料そのものは発生しません。ただし問題は未交付失効です。
発行から6か月以内に受け取らないとパスポートは失効します。そして失効後5年以内に再申請すると、手数料が6,000円加算されます。「とりあえず申請だけ」は将来の負担につながるので、渡航予定が固まってから申請するのがおすすめです。
未成年の手数料も親が払い方は同じですか?
支払い方法は大人と同じです。受取時に、収入印紙と都道府県手数料で納めます。オンライン申請なら親のクレジットカードで決済できます。
ただし受け取りは本人でなければできません。子ども本人を窓口に連れて行く必要があります。6歳以下など受領証の記入が難しい年齢では、親権者の同伴を求められる場合もあります。
6月末までの申請と7月以降の申請、どちらの手数料が適用されますか?
基準は申請が受理された日です。2026年6月30日までに受理された申請は旧手数料、7月1日以降に受理された申請は新手数料になります。
受取日がいつであっても、この基準は変わりません。6月末に申請して7月に受け取る場合は、旧手数料を支払うことになります。
まとめ:パスポート申請のお金は受取時に用意しよう
パスポート申請のお金で押さえるべき点は3つです。手数料は2026年7月1日申請分から10年用9,300円(オンライン8,900円)になったこと。支払いは受取時であること。そしてオンライン申請なら400円安く、カード払いもできることです。
このほか、渡航の準備では手数料以外の確認も欠かせません。渡航先によっては、入国時にパスポートの残存有効期間が6か月以上求められる国があります。ビザ(査証)の要否や、航空券購入時の氏名表記との一致も出発前のチェック項目です。まずは「パスけん」で受取可能日を確かめ、出発日から逆算して申請の予定を立ててください。
参考文献
- 「旅券手数料改定 関連情報」-「外務省」
- 「パスポートの申請はオンラインで!2026年7月から手数料が引き下げに」-「政府広報オンライン」
- 「手数料一覧|必要書類・申請書記入例など」-「東京都生活文化局」
- 「有効なパスポートをお持ちの方|申請について」-「東京都生活文化局」
- 「手数料一覧 – パスポートセンター」-「埼玉県」
- 「パスポートの申請から受取までの所要日数と手数料」-「千葉県」