詐欺の手口

振込後に犯人が「これ詐欺だよ」?500万円被害のサポート詐欺とは

振込後に犯人が「これ詐欺だよ」?500万円被害のサポート詐欺とは 詐欺の手口

パソコンに突然「ウイルス感染」の警告が出たら、多くの人は慌ててしまいます。北海道では、その不安につけ込まれた70代の男性が500万円を振り込み、直後に犯人から「これ詐欺だよ」と告げられる事件が起きました。手口はサポート詐欺と呼ばれるものです。

この記事では、事件の経緯とサポート詐欺の仕組みを整理します。あわせて、偽の警告画面が出たときの対処法や、振込後にお金を取り戻すための手順も解説します。自分や家族が同じ状況になったとき、どこで止められるのかを確認してみてください。

  1. 北海道で500万円を詐取された事件の概要とは?
    1. 事件の発生日と警察発表の内容
    2. 被害者が振込に至るまでの流れ
    3. 犯人からの「これ詐欺だよ」という電話で発覚した経緯
  2. 犯人はなぜ自分から「詐欺だよ」と明かしたのか?
    1. 出金完了後に接触を断つ目的という見方
    2. 被害者を混乱させて通報を遅らせる狙い
    3. 同様に犯人側から詐欺を告げられた過去の事例
  3. 今回の手口「サポート詐欺」とは?
    1. 偽のウイルス感染警告を表示させる仕組み
    2. 表示された電話番号にかけさせる誘導の流れ
    3. 「感染調査のために振込が必要」という金銭要求の口実
  4. 偽のセキュリティ警告画面を見分けるポイントとは?
    1. 本物のセキュリティソフトは電話番号を表示しない
    2. 全画面表示や警告音で不安をあおる特徴
    3. 実在企業のロゴをかたる表示への注意点
  5. 警告画面が表示されたときの正しい対処法とは?
    1. 表示された番号には絶対に電話しない
    2. ESCキー長押しなどでブラウザを閉じる手順
    3. 閉じられない場合の再起動と確認方法
  6. 電話をかけてしまった場合はどうすればいい?
    1. 相手の指示に従わず通話を打ち切る判断
    2. 遠隔操作ソフトを入れてしまった場合の削除手順
    3. 個人情報を伝えてしまった場合に必要な対応
  7. 振り込んでしまったお金は取り戻せるのか?
    1. 金融機関への連絡と口座凍結の依頼
    2. 振り込め詐欺救済法による被害回復分配金の仕組み
    3. 返金が難しいケースと注意すべき二次被害
  8. 被害に気づいたら連絡すべき相談窓口とは?
    1. 警察相談専用電話#9110と被害届の出し方
    2. IPA情報セキュリティ安心相談窓口の役割
    3. 消費者ホットライン188と銀行窓口の使い分け
  9. なぜ高齢者がサポート詐欺の標的になりやすいのか?
    1. パソコン警告への不安につけ込む心理的手口
    2. ネットバンキング利用者が狙われる背景
    3. 相談相手が身近にいない環境のリスク
  10. 家族でできるサポート詐欺の予防策とは?
    1. 「警告画面が出たら電話せず家族に相談」のルール化
    2. 広告ブロックやセキュリティソフトの活用
    3. IPAの体験サイトで偽警告画面を事前に見ておく方法
  11. サポート詐欺に関するよくある質問(FAQ)
    1. 警告画面が表示されただけでウイルスに感染していますか?
    2. 振り込んだお金は全額返金されますか?
    3. 犯人から「詐欺だよ」と連絡が来たら通報すべきですか?
    4. 電話してしまっただけで被害はありますか?
    5. スマートフォンでもサポート詐欺は起きますか?
  12. まとめ
    1. 参考文献

北海道で500万円を詐取された事件の概要とは?

まずは事件の流れを押さえておきましょう。いつ、どこで、どのような順番でお金が奪われたのか。時系列で見ていくと、途中で止められたはずのポイントが浮かび上がってきます。

事件の発生日と警察発表の内容

2026年8月17日、北海道の北見警察署が特殊詐欺の発生を発表しました。被害に遭ったのは北見市に住む70代の男性です。

被害額は現金500万円でした。きっかけはパソコンの画面に表示された偽のウイルス感染警告です。警察はこの手口について、振込を求められたら詐欺を疑うよう呼びかけています。

被害者が振込に至るまでの流れ

男性は8月16日、パソコンを使っていました。すると「ウイルスに感染している」という警告文が突然表示されました。

男性は警告文にあった電話番号に電話をかけました。電話に出たのは、ソフトウェア開発会社の社員を名乗る男です。男は「感染しているか調べるために500万円を振り込んでほしい」と要求しました。男性はインターネットバンキングを使い、指定された口座に500万円を振り込みました。

犯人からの「これ詐欺だよ」という電話で発覚した経緯

振込のあと、同じ男から再び電話がかかってきました。内容は驚くべきものでした。「これ詐欺だよ」「警察に行った方がいいよ」と告げられたのです。

男性はこの電話を受けて警察署に相談しました。そこで初めて被害が発覚しました。犯人自身が詐欺だと明かす、異例の展開だったといえます。

犯人はなぜ自分から「詐欺だよ」と明かしたのか?

お金を奪った側が、なぜわざわざ種明かしをするのでしょうか。不可解に見えますが、犯人側の視点で考えると理由が見えてきます。ここでは考えられる3つの見方を整理します。

出金完了後に接触を断つ目的という見方

特殊詐欺のグループは、振り込まれたお金をすぐに別の口座へ移します。出金が終われば、被害者に用はありません。

つまり「詐欺だよ」という電話は、取引終了の通告だった可能性があります。追加のやり取りを続けるほど、通話記録などの証拠が残ります。関係を一方的に断ち切る手段として、あえて明かしたという見方です。

被害者を混乱させて通報を遅らせる狙い

もう1つの見方は、心理的な揺さぶりです。「詐欺だよ」と言われた被害者は、強い混乱に陥ります。恥ずかしさや自責の念で、すぐに動けなくなる人もいます。

通報が1時間遅れるだけで、口座からの出金は完了してしまいます。被害者を固まらせること自体が、犯人にとって利益になるのです。

同様に犯人側から詐欺を告げられた過去の事例

実は同じような事例が他にもあります。2026年8月には、北見市の20代男性が250万円を振り込んだ後、犯人側から「だまされているよ」と連絡を受けました。

札幌市では、投資名目で約1750万円をだまし取られた50代男性が、犯人から「だまされたことに気づかないのか」と暴言を受けて被害に気づいた例もあります。犯人側からの種明かしは、決して珍しい行動ではないと分かります。

今回の手口「サポート詐欺」とは?

今回の事件で使われたのは、サポート詐欺と呼ばれる手口です。偽の警告で不安をあおり、電話をかけさせてお金を要求します。3つの段階に分けて仕組みを見ていきます。

偽のウイルス感染警告を表示させる仕組み

サポート詐欺の入口は、ウェブサイトの閲覧中に表示される偽の警告画面です。多くは不正な広告を経由して表示されます。

普通のニュースサイトを見ていても遭遇することがあります。画面が表示された時点では、パソコンはウイルスに感染していません。IPA(情報処理推進機構)もこの点を明確に説明しています。見た目の警告は、ただの表示にすぎないのです。

表示された電話番号にかけさせる誘導の流れ

偽の警告画面には、サポート窓口を装った電話番号が表示されます。「今すぐ電話してください」という文言や警告音で、電話を急がせます。

電話をかけると、実在企業の社員を名乗る人物が出ます。今回の事件ではソフトウェア開発会社の社員を名乗っていました。相手は専門用語を使い、「あなたのパソコンは危険な状態だ」と信じ込ませていきます

「感染調査のために振込が必要」という金銭要求の口実

最後の段階が金銭の要求です。今回は「感染しているか調べるために500万円を振り込んでほしい」という口実でした。

冷静に考えれば、調査のために大金を振り込む必要はありません。しかし電話で誘導されている最中は、その判断ができなくなります。要求の手段は振込のほか、電子マネーの購入やコンビニ払いなどもあります。名目が何であれ、警告画面から始まる金銭要求はすべて詐欺です。

偽のセキュリティ警告画面を見分けるポイントとは?

本物の警告と偽物は、どこで見分ければよいのでしょうか。実は判断の基準はシンプルです。3つのポイントを知っておけば、慌てずに済みます。

本物のセキュリティソフトは電話番号を表示しない

最大の見分けポイントは電話番号です。本物のセキュリティソフトやWindowsの警告が、電話番号を表示して連絡を求めることはありません

MicrosoftやAppleが、警告画面で電話を促すこともありません。番号が表示されていたら、その時点で偽物と判断できます。この1点だけでも覚えておく価値があります。

全画面表示や警告音で不安をあおる特徴

偽の警告画面には共通する特徴があります。以下の表にまとめました。

特徴 内容
全画面表示 閉じるボタンが見えなくなり、操作不能に見せかける
警告音・音声 ビープ音や「今すぐ電話を」という合成音声が流れる
カウントダウン 残り時間を表示して判断を急がせる
連続ポップアップ 閉じても次々と警告が出る

どれも目的は同じです。冷静に考える時間を奪うことです。演出が派手であるほど、偽物の可能性が高いと考えてください。

実在企業のロゴをかたる表示への注意点

偽の警告画面は、実在企業のロゴやデザインを流用しています。Microsoftのロゴが入った警告は、本物そっくりに作られています。

ロゴがあるから本物、という判断は通用しません。見た目ではなく、「電話番号の表示」と「金銭の要求」の有無で判断してください。この2つがあれば、どれほど精巧でも偽物です。

警告画面が表示されたときの正しい対処法とは?

偽物だと分かっても、画面が消えなければ不安は残ります。ここでは警告画面が出た瞬間にやるべきことを、順番に説明します。操作はどれも難しくありません。

表示された番号には絶対に電話しない

最初の鉄則は1つだけです。画面に表示された電話番号には絶対に電話しない。これに尽きます。

電話をかけなければ、サポート詐欺の被害は始まりません。警告画面は表示されているだけで、お金を奪う力はないのです。慌てて電話をかけた瞬間から、犯人との接点が生まれてしまいます。

ESCキー長押しなどでブラウザを閉じる手順

全画面表示になった場合の閉じ方を覚えておきましょう。手順は以下のとおりです。

  • キーボードの「ESC」キーを長押しする
  • 画面上部に閉じるボタンが表示される
  • ブラウザの「×」ボタンをクリックして閉じる

IPAは偽の警告画面を安全に体験できるサイトを公開しています。事前に一度操作を試しておくと、本番で慌てません。家族と一緒に体験しておくのもおすすめです。

閉じられない場合の再起動と確認方法

どうしても閉じられないときは、パソコンを再起動してください。電源ボタンの長押しによる強制終了でも構いません。

再起動後に警告が消えていれば、問題は解決しています。警告画面を見ただけなら、ウイルス感染も情報流出も起きていません。心配な場合は、正規のセキュリティソフトでスキャンを実行しておくと安心です。

電話をかけてしまった場合はどうすればいい?

すでに電話をかけてしまった人もいるはずです。その段階でも、まだ被害を防げます。状況別に必要な対応を確認していきましょう。

相手の指示に従わず通話を打ち切る判断

通話中に「詐欺かもしれない」と感じたら、その場で電話を切ってください。相手への断りは不要です。

犯人は「切ると大変なことになる」などと引き止めます。すべて無視して構いません。電話を切った時点で金銭被害はゼロです。その後に同じ番号から着信があっても、出ないでください。

遠隔操作ソフトを入れてしまった場合の削除手順

犯人の指示でソフトをインストールした場合は、遠隔操作ソフトの可能性があります。放置は危険です。

まずパソコンをインターネットから切断してください。Wi-Fiを切るか、LANケーブルを抜きます。次に、インストールしたソフトをアンインストールします。削除方法が分からない場合は、IPAの安心相談窓口に問い合わせると手順を教えてもらえます。

個人情報を伝えてしまった場合に必要な対応

通話中に名前や住所、口座情報を伝えてしまうケースもあります。伝えた情報によって、必要な対応が変わります。

伝えた情報 必要な対応
銀行口座・暗証番号 銀行に連絡し、口座の停止や変更を依頼する
クレジットカード番号 カード会社に連絡し、利用停止と再発行を依頼する
ネットバンキングのID パスワードを変更し、銀行に相談する
氏名・住所・電話番号 不審な電話や郵便への警戒を続ける

対応は早いほど効果があります。「大したことない」と自己判断せず、関係機関へ連絡することが大切です。

振り込んでしまったお金は取り戻せるのか?

一番気になるのは、お金が戻るかどうかです。結論から言うと、戻る可能性はありますが条件があります。制度の仕組みと限界を正しく知っておきましょう。

金融機関への連絡と口座凍結の依頼

振込に気づいたら、最初に振込先の金融機関へ連絡してください。自分の口座がある銀行でも受け付けてもらえます。

連絡の目的は、犯人の口座を凍結してもらうことです。口座にお金が残っているうちに凍結できるかどうかが、返金の分かれ目になります。連絡は1分でも早い方が有利です。銀行への連絡と並行して、警察にも通報してください。

振り込め詐欺救済法による被害回復分配金の仕組み

凍結された口座に残高があれば、振り込め詐欺救済法という法律に基づいて返金の手続きが進みます。正式には被害回復分配金と呼ばれる制度です。

凍結口座の残高を、被害者に分配する仕組みになっています。手続きは預金保険機構の公告を経て進みます。申請には期限があるため、警察や銀行の案内に沿って早めに手続きすることが重要です。

返金が難しいケースと注意すべき二次被害

残念ながら、全額が戻るケースは多くありません。犯人は振込後すぐに出金するからです。口座が空になっていれば、分配金は発生しません。

さらに注意したいのが二次被害です。「被害金を取り戻します」と持ちかける業者や弁護士を名乗る連絡は、詐欺の可能性が高いです。被害者名簿が出回り、再び狙われることがあります。返金の相談は、警察・銀行・法テラスなど公的な窓口だけを利用してください。

被害に気づいたら連絡すべき相談窓口とは?

いざというとき、どこに電話すればよいのでしょうか。窓口は複数あり、それぞれ役割が違います。目的別に使い分けを整理しておきます。

警察相談専用電話#9110と被害届の出し方

緊急でない相談は、警察相談専用電話「#9110」にかけてください。全国どこからでも、地域の警察の相談窓口につながります。

実際にお金を振り込んでしまった場合は、最寄りの警察署で被害届を出します。通話の記録や振込の明細を手元に用意しておくと、手続きがスムーズです。今回の北見市の事件でも、警察は#9110の利用を呼びかけています。

IPA情報セキュリティ安心相談窓口の役割

パソコンの状態に不安が残る場合は、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口が頼りになります。国の機関である情報処理推進機構が運営する窓口です。

遠隔操作ソフトの削除方法や、警告画面への対処を教えてもらえます。IPAへのサポート詐欺の相談は2026年4月から6月だけで1428件にのぼります。相談は珍しいことではありません。恥ずかしがらずに連絡してください。

消費者ホットライン188と銀行窓口の使い分け

契約や支払いのトラブルとして相談したい場合は、消費者ホットライン「188」が使えます。最寄りの消費生活センターにつながる番号です。

窓口の使い分けを表にまとめます。

窓口 番号・連絡先 相談内容
警察相談専用電話 #9110 詐欺被害の相談・通報
IPA安心相談窓口 IPA公式サイト参照 パソコンの技術的な対処
消費者ホットライン 188 契約・返金のトラブル
金融機関 各銀行の窓口 口座凍結・振込の停止

迷ったら#9110にかければ、適切な窓口を案内してもらえます。1人で抱え込まないことが何より大切です。

なぜ高齢者がサポート詐欺の標的になりやすいのか?

今回の被害者は70代でした。サポート詐欺の被害は高齢層に集中する傾向があります。狙われやすさには、はっきりした理由があります。

パソコン警告への不安につけ込む心理的手口

高齢の利用者にとって、パソコンのトラブルは自力で解決しにくい問題です。警告画面が出ると「壊れたらどうしよう」という不安が先に立ちます。

犯人はその心理を熟知しています。警告音やカウントダウンで焦らせ、考える余裕を奪います。狙われているのは知識の差ではなく、不安という感情です。パソコンに詳しい人でも、慌てれば同じ状況に陥ります。

ネットバンキング利用者が狙われる背景

今回の事件では、インターネットバンキングで500万円が振り込まれました。ネットバンキングは自宅から高額の送金ができます。

窓口やATMなら、銀行員who声をかけて詐欺を防ぐケースがあります。しかし自宅での操作には、その防波堤がありません。誰にも止められずに送金が完了してしまう点が、犯人にとって好都合なのです。

相談相手が身近にいない環境のリスク

1人暮らしの高齢者は、その場で相談できる相手がいません。「変な警告が出たけど、どうしよう」と話せる人が近くにいれば、多くの被害は防げます。

犯人は電話で「他の人に言わないで」と口止めすることもあります。孤立した状態こそが、詐欺被害の最大のリスクです。だからこそ、次の章で紹介する家族の備えが効いてきます。

家族でできるサポート詐欺の予防策とは?

サポート詐欺は、事前の備えで防げる詐欺です。しかも特別な道具はいりません。今日から家族で始められる3つの予防策を紹介します。

「警告画面が出たら電話せず家族に相談」のルール化

一番効果的なのは、シンプルなルールを決めておくことです。「パソコンに警告が出たら、電話をかけずにまず家族に連絡する」。これだけで十分です。

細かい知識を覚えてもらう必要はありません。判断を1人でさせない仕組みを作ることが目的です。離れて暮らす親には、電話やメッセージでこのルールを伝えておきましょう。冷蔵庫にメモを貼っておくのも有効です。

広告ブロックやセキュリティソフトの活用

偽の警告画面の多くは、不正な広告から表示されます。入口を減らせば、遭遇する確率も下がります。

ブラウザの広告ブロック機能や、セキュリティソフトの危険サイト対策を有効にしてください。ブラウザとOSを最新の状態に保つことも基本です。技術的な対策と家族のルールを組み合わせることで、防御は格段に強くなります。

IPAの体験サイトで偽警告画面を事前に見ておく方法

IPAは、偽のセキュリティ警告画面を安全に体験できるサイトを公開しています。実際の詐欺画面を再現したもので、閉じ方の練習ができます。

一度でも本物そっくりの画面を見ておくと、遭遇したときの動揺がまるで違います。「あ、これ練習したやつだ」と思えるかどうかが分かれ目です。帰省のタイミングなどに、親と一緒に試してみてください。

サポート詐欺に関するよくある質問(FAQ)

最後に、サポート詐欺についてよく寄せられる質問に答えます。細かい疑問はここで解消しておきましょう。

警告画面が表示されただけでウイルスに感染していますか?

感染していません。偽の警告画面は、ブラウザ上の表示にすぎないからです。

IPAも「画面が表示されただけであれば感染しておらず、閉じるだけで問題ない」と説明しています。警告の内容は事実ではなく、不安をあおるための演出です。落ち着いて画面を閉じてください。

振り込んだお金は全額返金されますか?

全額の返金は難しいのが実情です。犯人が口座からすぐに出金してしまうためです。

ただし、口座凍結が間に合えば、振り込め詐欺救済法に基づく分配金を受け取れる可能性があります。返金の可能性は、通報の早さに比例します。気づいた瞬間に銀行と警察へ連絡してください。

犯人から「詐欺だよ」と連絡が来たら通報すべきですか?

すぐに通報してください。今回の北見市の事件でも、被害者はこの電話をきっかけに警察へ相談し、被害が発覚しました。

犯人の言葉に従うのは悔しいと感じるかもしれません。しかし通報が早いほど、口座凍結が間に合う可能性は高まります。恥ずかしさで通報をためらうことが、犯人の思うつぼです。

電話してしまっただけで被害はありますか?

電話をかけただけなら、金銭的な被害はありません。慌てなくて大丈夫です。

ただし、電話番号は相手に知られた状態になります。以後、不審な着信が増える可能性があります。知らない番号からの電話には出ない設定にしておくと安心です。遠隔操作ソフトを入れたり情報を伝えたりした場合だけ、追加の対応が必要です。

スマートフォンでもサポート詐欺は起きますか?

起きます。スマートフォンのブラウザにも、偽の警告が表示されることがあります。

対処法はパソコンと同じです。表示された番号に電話せず、ブラウザのタブを閉じてください。機種を問わず「警告画面からの電話誘導はすべて詐欺」と覚えておけば、迷いません。

まとめ

サポート詐欺は、警告画面・電話・金銭要求という3段階のどこでも止められる詐欺です。今回の北見市の事件は、最初の電話をかけない、振込前に誰かに相談する、そのどちらかで防げた可能性がありました。読み終えた今日のうちに、家族へ「警告が出たら電話せず相談」というルールを共有してみてください。

なお、同じ北見市では警察官や検察官を名乗る電話による詐欺、SNSで知り合った相手による投資詐欺の被害も相次いでいます。手口は違っても、「急がせる」「孤立させる」という構図は共通です。パソコンの警告に限らず、お金の要求を伴う連絡を受けたら、#9110に相談する習慣をつけておくと、幅広い詐欺への備えになります。

参考文献

  • 「現金500万円振り込むと『これ詐欺だよ』『警察に行った方がいいよ』犯人から電話で被害発覚 北海道」-「STVニュース北海道(Yahoo!ニュース)」
  • 「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」-「IPA 独立行政法人情報処理推進機構」
  • 「パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させるサポート詐欺に注意」-「IPA 独立行政法人情報処理推進機構」
  • 「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2026年第2四半期]」-「IPA 独立行政法人情報処理推進機構」
  • 「警察相談専用電話#9110」-「警察庁」
  • 「振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金」-「金融庁」
  • 「消費者ホットライン188」-「消費者庁・国民生活センター」