お金のコラム

国からもらえるお金150万円は本当?対象制度と申請の流れを解説

国からもらえるお金150万円は本当?対象制度と申請の流れを解説 お金のコラム

「国からもらえるお金 150万円」という言葉を、動画やSNSで目にした人は多いはずです。ただ、その150万円が何の制度なのかは、ほとんど説明されていません。

先に結論をお伝えします。誰でも一律で150万円を受け取れる国の制度は、2026年9月時点で存在しません。一方で、条件を満たせば年150万円以上を受け取れる制度は実在します。この記事では、国からもらえるお金150万円の正体を制度ごとに検証します。対象者・金額・申請先・返す条件まで、順番に確認していきましょう。

  1. 国からもらえるお金150万円とは?何を指しているのか
    1. 「150万円」の出どころはどの制度なのか
    2. 国の制度と自治体の制度はどう違うのか
    3. 誰でも一律で150万円もらえる制度はあるのか
  2. 新規就農で年150万円がもらえる制度とは?
    1. 就農準備資金は誰が対象なのか
    2. 経営開始資金は何年間もらえるのか
    3. 2026年度から月13.75万円に増額されたのはなぜか
  3. 就農系の資金を返還しなければならないのはどんな場合?
    1. 研修後1年以内に就農しなかったらどうなるのか
    2. 世帯所得が600万円を超えると停止されるのか
    3. 農業従事日数の基準を下回るとどうなるのか
  4. 地方移住で100万円以上がもらえる移住支援金とは?
    1. 単身と世帯で支給額はどう変わるのか
    2. 子ども加算で150万円を超えるのはどんな世帯か
    3. 東京圏在住・在勤の要件はどこまで細かいのか
  5. 資格取得やスキルアップで100万円超が戻る給付とは?
    1. 専門実践教育訓練給付金はいくらまで戻るのか
    2. 高等職業訓練促進給付金はひとり親だけが対象なのか
    3. 求職者支援制度で月10万円がもらえる条件とは何か
  6. 住宅の新築・購入で最大160万円がもらえる制度とは?
    1. 子育てグリーン住宅支援事業の対象世帯はどこまでか
    2. 補助金の申請は誰が行うのか
    3. リフォームでも対象になるのか
  7. 出産・育児で受け取る金額が合計150万円を超えるケースとは?
    1. 出産育児一時金50万円はどう受け取るのか
    2. 出産手当金と育児休業給付金はいくらになるのか
    3. 共働きで両方が育休を取ると総額はどう変わるのか
  8. 個人事業主・フリーランスが150万円前後の補助を受けられる制度とは?
    1. 小規模事業者持続化補助金の上限はいくらか
    2. デジタル化・AI導入補助金2026は何が対象なのか
    3. 補助金が後払いである点で何に注意すべきか
  9. 「150万円もらえる」という情報はどう見分ければいい?
    1. SNSや動画の情報が古いと判断するポイントは何か
    2. 公式サイトのどこを確認すればいいのか
    3. 申請代行業者に依頼する前に確認すべきことは何か
  10. 国からもらえるお金を申請する流れとは?
    1. 最初に相談すべき窓口はどこか
    2. 準備に時間がかかる書類は何か
    3. 申請から入金までどのくらいかかるのか
  11. よくある質問(FAQ)
    1. 国から150万円が一律で配られるという話は本当ですか?
    2. 就農準備資金と経営開始資金は両方もらえますか?
    3. 移住支援金は会社を辞めなくても対象になりますか?
    4. 補助金と給付金は何が違うのですか?
    5. 過去に支給された給付金は今も申請できますか?
  12. まとめ
    1. 参考文献

国からもらえるお金150万円とは?何を指しているのか

まず、150万円という数字がどこから来たのかを整理します。数字だけが独り歩きしている状態なので、ここを押さえないと自分に関係あるかどうかも判断できません。国と自治体の違いも、最初に切り分けておきましょう。

「150万円」の出どころはどの制度なのか

150万円という金額に最もぴったり当てはまるのは、農林水産省の就農準備資金・経営開始資金です。長年「月12.5万円、年150万円」で運用されてきました。動画や記事で「150万円もらえる」と紹介される場合、この制度を指しているケースがほとんどです。

ほかにも、合算すると150万円前後になる制度があります。移住支援金は世帯100万円に子ども1人100万円が加算されます。住宅の補助は最大160万円です。出産や育休の給付を足すと150万円を超える家庭も珍しくありません。つまり「150万円」は1つの制度名ではなく、複数の制度の金額が混ざった数字だと考えると整理しやすくなります。

国の制度と自治体の制度はどう違うのか

「国からもらえる」と書かれていても、実際の申請先は市町村というケースがよくあります。国が予算を出し、都道府県や市町村が窓口になる仕組みです。就農準備資金も移住支援金もこの形です。

一方で、自治体が独自に出しているお金もあります。住宅新築で150万円、結婚新生活で最大100万円といった支援は、市町村ごとに内容が違います。同じ「150万円」でも、隣の市では0円ということがあるわけです。記事や動画の情報を見たら、国の制度か自治体独自の制度かを最初に確認してください。

誰でも一律で150万円もらえる制度はあるのか

ありません。全国民を対象にした一律の現金給付は、2026年に入ってから実施も決定もされていません。「一律2万円の2回目」「1人5万円」といった話がSNSで広がっていますが、いずれも決まった事実ではありません。

直近で国が実施したのは、物価高対応子育て応援手当です。0歳から高校生年代の子ども1人あたり2万円でした。申請が必要な人の受付は、多くの自治体で2026年6月30日に終わっています。150万円が全員に配られるという情報を見たら、その時点で疑ってよいと覚えておきましょう。

新規就農で年150万円がもらえる制度とは?

150万円の本命は、農業を始める人向けの資金です。研修中にもらえるものと、独立後にもらえるものの2種類があります。さらに2026年度から金額が変わりました。旧情報のまま覚えている人が多いので、現行の数字で確認していきます。

就農準備資金は誰が対象なのか

就農準備資金は、農業を始める前の研修期間に生活費を支える制度です。対象は研修開始時に49歳以下の人です。都道府県が認めた研修機関や先進農家で、おおむね1年以上、年間1,200時間以上の研修を受けることが条件になります。

交付期間は最長2年です。研修後1年以内に就農する意思があることも求められます。会社員のまま週末だけ研修する、という形では対象になりません。「農業を仕事にする」と決めた人が、その準備期間に受け取るお金だと理解しておくとよいでしょう。

経営開始資金は何年間もらえるのか

経営開始資金は、独立・自営で農業を始めた直後の人向けです。交付期間は最長3年間です。対象は独立・自営就農時に49歳以下の人で、市町村から認定新規就農者として認められる必要があります。

農業だけでは収入が安定しない時期に、生活費と運転資金を補う目的の制度です。農機のリース料や種苗費を払いながら経営に集中できます。就農準備資金と経営開始資金は、研修から独立への流れで両方受け取ることが可能です。合計すると最長5年間の支援になります。

2026年度から月13.75万円に増額されたのはなぜか

2026年度(令和8年度)から、両制度の単価が月12.5万円から月13.75万円に引き上げられました。年額では150万円から165万円です。物価上昇を受けて、生活費の水準に合わせた形になっています。

ただし注意点があります。2025年度以前に研修や経営を始めた期間の分は、従来どおり月12.5万円で計算されます。動画や記事で「年150万円」と書かれていたら、それは旧単価です。今から申請する人は165万円が基準になると覚えておいてください。

制度名 対象 月額(2026年度) 期間
就農準備資金 研修中・49歳以下 13.75万円 最長2年
経営開始資金 独立就農直後・49歳以下 13.75万円 最長3年

就農系の資金を返還しなければならないのはどんな場合?

就農系の資金は「もらって終わり」ではありません。条件を守れなかった場合、全額返還になることがあります。申請前に知らないと、数百万円を戻す事態になりかねません。停止と返還の条件を確認しておきましょう。

研修後1年以内に就農しなかったらどうなるのか

就農準備資金は、研修を終えてから1年以内に就農しなかった場合、全額返還が原則です。研修中に気が変わって別の仕事に就くと、受け取ったお金をすべて戻すことになります。

例外もあります。就農遅延届を提出し、原則2年以内に就農すれば返還は免れます。農地の確保に時間がかかるケースは珍しくありません。遅れそうなときは黙って放置せず、先に届出を出すことが重要です。

世帯所得が600万円を超えると停止されるのか

経営開始資金には所得の条件があります。前年の世帯全体の所得が600万円を超えると、交付が停止されます。本人だけでなく、配偶者の収入も合算される点に注意が必要です。

停止は永久ではありません。所得が600万円以下に戻れば、翌年から交付が再開されます。農業以外の収入があること自体は問題ありません。配偶者が会社員として働いている家庭は、合算額を先に計算しておくと安心です。

農業従事日数の基準を下回るとどうなるのか

経営開始資金では、農業に従事する日数と時間が定められています。目安は年間150日かつ1,200時間以上です。これを下回ると、農業を適切に行っていないと判断され、返還の対象になります。

就農後の継続要件もあります。交付期間の1.5倍、または最低2年間は農業を続けなければなりません。3年間受け取った場合、その後4.5年は継続が必要です。合計7年以上、農業を続ける前提で設計された制度だと考えてください。

地方移住で100万円以上がもらえる移住支援金とは?

農業以外で高額なのが、地方移住の支援金です。世帯で100万円、子どもがいるとさらに加算されます。ただし東京圏からの移住に限られ、就業条件も細かく決まっています。金額と条件を順に見ていきます。

単身と世帯で支給額はどう変わるのか

移住支援金の基本額は、単身60万円、世帯100万円です。内閣官房・内閣府が制度を設計し、都道府県と市町村が実施しています。金額は自治体によって減額される場合があるので、移住先の市町村の設定を確認する必要があります。

対象になるのは、東京23区に住んでいた人、または東京圏から23区に通勤していた人です。期間の条件もあります。移住直前の10年間で通算5年以上、かつ直近1年以上、23区に在住または通勤していることが求められます。

子ども加算で150万円を超えるのはどんな世帯か

18歳未満の子どもを連れて移住する場合、子ども1人につき最大100万円が加算されます。世帯100万円に子ども1人で200万円です。子ども2人なら300万円になります。

このため、「150万円」という数字は子育て世帯の移住では通過点にすぎません。自治体によっては独自の上乗せもあります。移住先を比較するときは、基本額だけでなく加算の有無を確認してください。

世帯構成 基本額 子ども加算(1人) 合計例
単身 60万円 なし 60万円
夫婦 100万円 なし 100万円
夫婦+子1人 100万円 100万円 200万円

東京圏在住・在勤の要件はどこまで細かいのか

移住支援金は、移住後の働き方にも条件があります。主な要件は以下のとおりです。

  • 都道府県のマッチングサイトに掲載された求人に就職する
  • テレワークで移住前の仕事を続ける
  • 起業支援事業の交付決定を受けて起業する
  • 自治体が認める関係人口の条件を満たす

東京の会社を辞めて地方でフリーランスになる、という形では対象外になることがあります。テレワーク要件を使う場合は、勤務先の許可も必要です。移住後5年以内に転出すると返還を求められる点も忘れないでください。

資格取得やスキルアップで100万円超が戻る給付とは?

働きながら学び直す人にも、まとまった給付があります。学費の一部が戻る制度、ひとり親向けの月額給付、失業中の訓練給付の3つです。それぞれ対象と金額が違うので、自分の状況に合うものを見つけてください。

専門実践教育訓練給付金はいくらまで戻るのか

専門実践教育訓練給付金は、厚生労働省が指定する講座の受講費用が戻る制度です。看護師、保育士、MBA、ITスキルなどの講座が対象になります。基本は受講費の50%で、年間上限は40万円です。

資格を取って就職すると20%が追加されます。さらに2024年10月からは、賃金が上がると10%が上乗せされました。最大で受講費の80%、年間上限64万円です。訓練期間は最長3年なので、合計で190万円を超えるケースもあります。

高等職業訓練促進給付金はひとり親だけが対象なのか

高等職業訓練促進給付金は、ひとり親家庭の親が対象です。看護師や介護福祉士などの資格を取るため、1年以上養成機関で学ぶ場合に支給されます。こども家庭庁の制度で、窓口は市町村です。

月額は住民税非課税世帯で10万円、課税世帯で7万500円です。修業期間の全期間が対象で、上限は4年です。修了時には修了支援給付金として5万円も支給されます。4年間受け取れば、合計は480万円を超えます。

求職者支援制度で月10万円がもらえる条件とは何か

求職者支援制度は、雇用保険を受け取れない人が職業訓練を受けながら生活費をもらえる制度です。給付は月10万円と交通費です。ハローワークが窓口になります。

条件は収入と資産の両面で決まっています。

  • 本人の収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯の金融資産が300万円以下
  • 訓練にすべて出席する

1日でも正当な理由なく欠席すると、その月の給付が受けられない仕組みです。訓練期間は2か月から6か月が中心で、総額は最大60万円程度になります。

住宅の新築・購入で最大160万円がもらえる制度とは?

家を建てる人には、国土交通省の補助があります。2025年度に実施された子育てグリーン住宅支援事業では、最大160万円が支給されました。ただし申請の仕組みが独特です。対象世帯と流れを確認しておきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業の対象世帯はどこまでか

2025年度の子育てグリーン住宅支援事業では、住宅の性能によって金額が分かれていました。最も高性能なGX志向型住宅は160万円で、世帯の年齢や子どもの有無を問いません。長期優良住宅は80万円、ZEH水準住宅は40万円です。

80万円と40万円の枠は、子育て世帯か若者夫婦世帯が対象でした。子育て世帯は18歳未満の子どもがいる世帯です。若者夫婦世帯は夫婦どちらかが39歳以下の世帯を指します。2026年度の後継事業は名称や金額が変わる可能性があるため、国土交通省の公式ページで確認してください。

補助金の申請は誰が行うのか

この制度は、住宅を建てる本人が申請するのではありません。登録された住宅事業者が申請し、補助金を受け取ります。その後、契約代金から差し引く形で施主に還元されます。

つまり、依頼する工務店やハウスメーカーが登録事業者でなければ使えません。契約前に「子育てグリーン住宅支援事業の登録事業者か」を必ず確認してください。予算に達すると受付が締め切られる点も重要です。

リフォームでも対象になるのか

リフォームも対象です。窓の断熱改修、高効率給湯器の設置、外壁の断熱などが補助されます。上限は子育て世帯で60万円、その他の世帯で40万円が基本でした。

新築ほどの金額ではありません。ただ、先進的窓リノベ事業など別の補助と併用できるケースがあります。窓と給湯器をまとめて改修すると、合計で100万円を超えることもあります。

出産・育児で受け取る金額が合計150万円を超えるケースとは?

出産と育休に関わる給付は、1つ1つは50万円前後です。ところが合算すると150万円を超える家庭が多くあります。健康保険と雇用保険から出る給付を、順番に足していきましょう。

出産育児一時金50万円はどう受け取るのか

出産育児一時金は、健康保険や国民健康保険から支給されます。金額は2023年4月から子ども1人につき50万円です。双子なら100万円になります。

受け取り方は直接支払制度が一般的です。病院が健康保険に請求し、本人は差額だけを窓口で払います。出産費用が50万円を下回れば、差額は後から本人の口座に振り込まれます。申請しないと受け取れないので、退院時に病院で手続きを確認してください。

出産手当金と育児休業給付金はいくらになるのか

会社員の母親は、産休中に出産手当金を受け取れます。1日あたり標準報酬日額の3分の2で、産前42日と産後56日の98日分が目安です。月給30万円なら約65万円になります。

育休中は雇用保険から育児休業給付金が出ます。最初の180日は休業前賃金の67%、その後は50%です。2025年4月からは出生後休業支援給付金が加わりました。両親がともに14日以上育休を取ると、28日間は手取りで賃金の10割相当になります。

給付名 支給元 金額の目安
出産育児一時金 健康保険 50万円
出産手当金 健康保険 月給の約3分の2×98日分
育児休業給付金 雇用保険 賃金の67%(180日まで)
出生後休業支援給付金 雇用保険 賃金の13%(28日間)

共働きで両方が育休を取ると総額はどう変わるのか

母親だけが育休を取る場合でも、月給30万円なら出産手当金と育休給付で半年で約180万円です。ここに一時金50万円が加わります。「150万円」は多くの共働き家庭にとって、出産前後で自然に到達する金額です。

父親も育休を取ると、父親の分の育児休業給付金が別に支給されます。2人合わせると、1年間で300万円近い給付になる家庭もあります。育休給付は非課税で、社会保険料も免除されます。手取りベースで考えると、働いていた時期と大きな差がない期間も作れます。

個人事業主・フリーランスが150万円前後の補助を受けられる制度とは?

事業を営む人には、国の補助金があります。販路開拓の補助と、IT導入の補助が代表格です。2026年に制度名が変わったものもあります。金額の区分と、補助金特有の注意点をまとめます。

小規模事業者持続化補助金の上限はいくらか

小規模事業者持続化補助金は、チラシ、ホームページ、店舗改装などの販路開拓費用を補助する制度です。通常枠の上限は50万円で、補助率は3分の2です。中小企業庁が所管し、商工会・商工会議所が窓口になります。

賃上げや創業に取り組む場合は、上限が200万円まで広がる枠があります。インボイス発行事業者になった場合の上乗せもあります。150万円前後の補助を受けるなら、通常枠ではなく特別枠を狙うことになります。公募回ごとに要件が変わるので、最新の公募要領を確認してください。

デジタル化・AI導入補助金2026は何が対象なのか

これまでのIT導入補助金は、2026年に「デジタル化・AI導入補助金2026」へ刷新されました。生成AIツールや業務効率化ソフトの導入が対象に加わっています。

通常枠の補助額は、業務プロセス1つ以上で5万円から150万円未満です。4プロセス以上なら150万円から450万円です。補助率は原則2分の1で、最低賃金引き上げに取り組む事業者は3分の2になります。対象となるツールは事務局に登録されたものだけという点が見落とされがちです。

補助金が後払いである点で何に注意すべきか

補助金は原則として後払いです。先に自分でお金を払い、実績報告を出してから補助金が振り込まれます。150万円の補助を受けるなら、300万円前後の費用を一時的に立て替える必要があります。

もう1つの注意点は採択率です。給付金と違って、申請すれば必ずもらえるわけではありません。事業計画の内容で審査され、不採択になることもある制度です。資金繰りを補助金頼みにしない計画を立ててください。

「150万円もらえる」という情報はどう見分ければいい?

ここまで読むと、150万円の話が制度によってまったく違うことがわかります。だからこそ、出回っている情報の真偽を自分で確かめる力が必要です。古い情報、誤情報、業者の営業を見分けるポイントを整理します。

SNSや動画の情報が古いと判断するポイントは何か

まず確認するのは、制度の金額です。就農系資金を「月12.5万円」と紹介していたら、2025年度以前の情報です。「IT導入補助金」という名称のままなら、2026年の刷新前に作られた内容だと判断できます。

もう1つは、終了した制度の扱いです。コロナ禍の持続化給付金や、2016年前後の高齢者向け給付金を現行制度のように紹介している記事があります。年度の記載がない情報は、それだけで信頼度を下げて読むのが安全です。

公式サイトのどこを確認すればいいのか

制度の一次情報は、省庁と事務局のサイトにあります。就農系は農林水産省、移住支援金は内閣官房・内閣府、教育訓練給付は厚生労働省、住宅補助は国土交通省です。

見るべき場所は「交付要綱」「公募要領」「Q&A」の3つです。金額と要件は要綱に、締切と手続きは公募要領に、細かい疑問はQ&Aに書かれています。まとめ記事で概要をつかんだら、必ずこの3つで裏を取ってください。

申請代行業者に依頼する前に確認すべきことは何か

「150万円もらえる」という広告から、申請代行の営業につながることがあります。すべてが悪質というわけではありません。ただ、着手金だけ取って不採択でも返金しない業者は存在します。

依頼前に確認したいのは以下の点です。

  • 報酬が成功報酬か着手金かを明示しているか
  • 行政書士や中小企業診断士などの資格を持っているか
  • 自分で申請できる制度なのに代行を勧めていないか

就農系資金や移住支援金は、市町村の窓口が無料で計画書の作成を支援してくれます。代行が必要な制度かどうかを、先に窓口へ聞くのが確実です。

国からもらえるお金を申請する流れとは?

制度が決まったら、あとは動くだけです。とはいえ「どこに行けばいいのか」「何を用意するのか」で止まる人が多くいます。相談窓口、時間のかかる書類、入金までの期間を先に把握しておきましょう。

最初に相談すべき窓口はどこか

制度ごとに窓口は決まっています。

制度 最初の相談先
就農準備資金・経営開始資金 就農予定地の市町村農政課
移住支援金 移住先の市町村移住担当課
専門実践教育訓練給付金 住所地のハローワーク
高等職業訓練促進給付金 市町村のひとり親支援窓口
子育てグリーン住宅支援事業 依頼する登録住宅事業者
持続化補助金 地域の商工会・商工会議所

電話で「〇〇の制度について聞きたい」と伝えるだけで、担当者が要件の確認から案内してくれます。ネットで調べ尽くしてから行く必要はありません。

準備に時間がかかる書類は何か

時間がかかるのは、計画書と証明書類です。就農系なら経営開始計画書、補助金なら事業計画書が必要になります。作成には数週間かかるのが普通です。

移住支援金は在住・在勤の証明が必要です。住民票の除票や、勤務先の在職証明を過去にさかのぼって集めます。10年分の履歴を証明する書類は、退職後に集めるのが難しいケースがあります。移住を決めたら、退職前に勤務先へ依頼しておいてください。

申請から入金までどのくらいかかるのか

給付系は比較的早く、申請から1か月から2か月で振り込まれます。出産育児一時金や育休給付がこれにあたります。就農系資金は半年ごとの交付で、初回は申請から数か月後です。

補助金は長期戦です。採択まで2か月から3か月、事業実施後に実績報告を出し、そこから入金まで1か月から2か月かかります。申請から入金まで半年から1年を見込むのが現実的です。

よくある質問(FAQ)

国から150万円が一律で配られるという話は本当ですか?

本当ではありません。2026年9月時点で、全国民を対象にした一律の現金給付は実施も決定もされていません。直近の国の給付は、子ども1人2万円の物価高対応子育て応援手当です。

150万円という数字は、就農系資金や移住支援金などの制度の金額です。条件を満たした人だけが受け取れます。一律給付として紹介している情報は、事実と異なると判断してください。

就農準備資金と経営開始資金は両方もらえますか?

両方受け取れます。研修期間中は就農準備資金、独立後は経営開始資金という流れです。合計で最長5年間、月13.75万円の支援になります。

ただし、それぞれで年齢と要件の確認があります。研修開始時と独立就農時の両方で49歳以下である必要があります。48歳で研修を始める場合は、独立時の年齢に注意してください。

移住支援金は会社を辞めなくても対象になりますか?

テレワークで移住前の仕事を続ける場合は対象になります。勤務先の許可を得たうえで、地方に住みながら働く形です。転職しなくても100万円の基本額を受け取れます。

一方、移住後に個人で仕事を探す形は対象外になることがあります。マッチングサイトの求人への就職か、起業支援の交付決定が必要です。移住前に、移住先の自治体へ働き方の要件を確認してください。

補助金と給付金は何が違うのですか?

給付金は、条件を満たせば原則として全員に支給されます。出産育児一時金や育休給付がこれにあたります。審査はなく、後払いでもありません。

補助金は、事業計画を審査して採択された人だけが受け取れます。原則として後払いで、自己負担も発生します。持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金がこの仕組みです。

過去に支給された給付金は今も申請できますか?

申請できません。コロナ禍の持続化給付金は2021年に受付を終えています。2016年前後の高齢者向け給付金も同様です。

2026年に配られた子育て応援手当も、多くの自治体で6月30日に受付を終了しました。過去の給付金を「今もらえる」と紹介している情報は、古いか誤りです。

まとめ

国からもらえるお金150万円の正体を追うと、就農系資金、移住支援金、住宅補助、出産・育休給付、事業者向け補助金という5つの入り口に分かれました。それぞれ対象も申請先も違います。まず自分の状況がどの入り口に近いかを1つ選んでください。

選んだら、その制度の所管省庁のサイトで交付要綱を開き、年齢・所得・期間の3つの数字を自分と照らし合わせます。要件に合いそうなら、市町村やハローワークへ電話を1本かけるところから始まります。記事で触れなかった自治体独自の上乗せは、この電話で聞くのが最も早い方法です。

参考文献

  • 「就農準備資金・経営開始資金」-「農林水産省」
  • 「新規就農者育成総合対策」-「農林水産省」
  • 「移住支援金(移住支援事業)」-「内閣官房・内閣府 地方創生推進事務局」
  • 「教育訓練給付制度」-「厚生労働省」
  • 「求職者支援制度のご案内」-「厚生労働省」
  • 「高等職業訓練促進給付金等事業」-「こども家庭庁」
  • 「出産育児一時金の支給額・支払方法について」-「厚生労働省」
  • 「育児休業給付について」-「厚生労働省」
  • 「子育てグリーン住宅支援事業」-「国土交通省」
  • 「小規模事業者持続化補助金」-「中小企業庁・全国商工会連合会・日本商工会議所」
  • 「デジタル化・AI導入補助金2026」-「中小企業庁・事務局公式サイト」