詐欺の手口

フィッシング詐欺サイト上位10社とは?偽メールの見分け方と対処法

フィッシング詐欺サイト上位10社とは?偽メールの見分け方と対処法 詐欺の手口

「Appleから支払い確認のメールが来た」「JCBから重要なお知らせが届いた」。その連絡、本物でしょうか。静岡県警サイバー企画課は、多く立ち上げられたフィッシング詐欺サイトを毎週公表しています。2026年7月13日から7月19日の集計では、AppleやJCBなど身近な企業名が上位に並びました。

この記事では、フィッシング詐欺サイトの上位10社と、偽メールの見分け方をまとめます。クリックしてしまった後の対処法や相談窓口も紹介します。届いたメールに不安を感じている方は、削除する前に読んでみてください。

  1. フィッシング詐欺とは?被害が増え続ける理由
    1. フィッシング詐欺の仕組みと目的
    2. 偽サイトが1日数千件単位で作られる背景
    3. 生成AIの悪用で本物との区別が難しくなった理由とは?
  2. 静岡県警が公表したフィッシングサイト上位10社(2026年7月13日〜19日)
    1. 1. Apple
    2. 2. JCB
    3. 3. Amazon
    4. 4. クレディセゾン
    5. 5. JAL
    6. 6. イープラス
    7. 7. ETC利用照会サービス
    8. 8. JR東日本
    9. 9. 警視庁
    10. 10. 国税庁
  3. なぜランキング上位は毎週入れ替わるのか?
    1. 犯行グループが季節・時事に合わせて標的を変える手口
    2. 警察や官公庁までかたられる理由とは?
    3. 順位外の企業でも安心できない理由
  4. 実際に届く偽メールの件名例と共通パターン
    1. 県警が例示した要注意メールの件名
    2. 「期限」「最終通知」「重要」で焦らせる心理的手口
    3. メールだけでなくSMS・検索広告からも誘導される
  5. フィッシングサイト・偽メールの見分け方とは?
    1. 送信元アドレスとURLの確認ポイント
    2. 見た目では判別できない偽サイトの特徴
    3. 本物か迷ったときの確認手順
  6. URLをクリック・情報を入力してしまったときの対処法
    1. 入力直後にまずやるべきこと
    2. カード会社・金融機関への連絡手順
    3. パスワード変更と不正利用の確認方法
  7. 被害を防ぐために今日からできる設定
    1. 公式アプリとブックマークからアクセスする習慣
    2. 多要素認証(ワンタイムパスワード・生体認証)の設定
    3. IDとパスワードを使い回さない管理方法
  8. 家族を守るには?世代別の注意ポイント
    1. 高齢の親に伝えておきたい確認ルール
    2. 学生・若年層が狙われやすいチケット系詐欺
    3. 家庭内で被害を相談しやすくする工夫
  9. フィッシング詐欺の相談・通報窓口はどこ?
    1. 警察相談専用電話「#9110」とサイバー犯罪相談窓口
    2. フィッシングサイトを発見したときの通報先
    3. 金融機関・カード会社の緊急連絡先の調べ方
  10. よくある質問(FAQ)
    1. 偽メールを開いただけで被害に遭いますか?
    2. 本物のメールと偽メールはどこで判断すればいいですか?
    3. ランキングに載っていない企業のメールなら安全ですか?
    4. 家族が情報を入力してしまった場合はどうすればいいですか?
    5. フィッシング被害のお金は戻ってきますか?
  11. まとめ
    1. 参考文献

フィッシング詐欺とは?被害が増え続ける理由

まずは基本から整理します。フィッシング詐欺の仕組みを知ると、なぜ有名企業の名前ばかりが使われるのかが見えてきます。偽サイトが増え続ける背景もあわせて確認しましょう。

フィッシング詐欺の仕組みと目的

フィッシング詐欺とは、実在する企業や官公庁をかたって偽サイトへ誘導する手口です。目的はIDやパスワード、クレジットカード番号などの個人情報です。入力させた情報を使い、不正送金や不正利用につなげます。

入口はメールやSMSが中心です。本文のURLをタップすると、本物そっくりの偽サイトが開きます。見た目だけで偽物と判断するのはほぼ不可能です。だからこそ、入口で止める意識が大切になります。

偽サイトが1日数千件単位で作られる背景

警察の説明によると、令和7年の全国のフィッシング認知件数は年間約245万件でした。計算すると、1日あたり約6700件の偽サイトが新たに立ち上がっていることになります。

なぜここまで量産できるのでしょうか。理由は、偽サイト作成のツールやテンプレートが犯行グループの間で出回っているためです。1つ閉鎖されても、すぐ別のサイトが作られる構図があります。ランキングの公表が毎週行われるのは、この入れ替わりの速さに対応するためです。

生成AIの悪用で本物との区別が難しくなった理由とは?

以前の偽メールには、不自然な日本語という弱点がありました。今は違います。生成AIの悪用で、文面の違和感がほぼ消えました。

偽サイトも同じです。本物のサイトを丸ごと複製したうえで、細部まで整えられています。「日本語が変だから偽物」という昔の見分け方はもう通用しません。判断基準を新しくする必要があります。

静岡県警が公表したフィッシングサイト上位10社(2026年7月13日〜19日)

ここからが本題です。静岡県警サイバー企画課が公表した、2026年7月13日から7月19日に多く立ち上げられたフィッシングサイトの上位10社を見ていきます。自分が使っているサービスがないか確認してください。

1. Apple

1位はAppleでした。iPhoneユーザーの多さを考えると、狙われやすいのは当然といえます。Apple IDは決済情報と直結しているため、盗まれたときの被害が大きくなります。

「お支払い情報の再確認」といった件名で不安をあおるのが典型です。AppleがメールのURLから支払い情報の入力を求めることはありません。確認したいときは、設定アプリや公式サイトから直接ログインしましょう。

2. JCB

2位はJCBです。カード会社をかたる偽メールは「重要なお知らせ」という件名が目立ちます。中身を開かせるための、あいまいな表現です。

カードの利用停止をほのめかす文面もあります。焦って入力すると、カード番号と暗証情報がそのまま抜き取られます。カード会社への確認は、カード裏面の電話番号か公式アプリから行うのが安全です。

3. Amazon

3位はAmazonでした。利用者数が多く、配送の連絡が日常的に届くサービスです。だからこそ偽メールが紛れ込みやすくなります。

「配送センターからのお知らせ」という件名は、注文した直後に届くと本物に見えます。注文状況は必ずアプリの「注文履歴」で確認してください。メールのリンクを使う必要はありません。

4. クレディセゾン

4位はクレディセゾンです。「セゾンNetアンサー会員様へ」といった、会員向けを装う件名が確認されています。

会員サービスの名前を出されると、つい信じてしまいます。ここが狙いです。登録情報の確認を求められても、メールからは開かないでください。公式アプリかブックマークからアクセスすれば、偽サイトを踏むことはありません。

5. JAL

5位はJALでした。「マイレージバンクアカウント継続のお願い」という件名で、期限まで記載する手口が見られます。

マイルの失効は、多くの人が気にするポイントです。損をしたくない気持ちを突いてきます。期限付きの文面はまず疑う。この習慣が防御になります。

6. イープラス

6位はチケット販売のイープラスです。コンサートやイベントのチケットは、若い世代の利用が多い分野です。

人気公演の抽選や支払いの時期は、通知を待っている状態になります。そこに偽メールが届くと、疑うきっかけがありません。ログインは必ず自分でアプリを開いて行いましょう。

7. ETC利用照会サービス

7位はETC利用照会サービスでした。「ご利用料金のご返金」といった、お金が戻る話で誘う文面が過去に確認されています。

返金と聞くと、警戒がゆるみます。しかし返金手続きのためにカード番号の入力を求める連絡は詐欺と考えてください。本来の返金に、カード情報の再入力は不要です。

8. JR東日本

8位はJR東日本です。「ポイント加算期限がまもなく終了します」と、最終通知を装う件名が例示されています。

えきねっとやJRE POINTの利用者は要注意です。期限や最終通知という言葉で、確認を急がせます。ポイントの状況は公式アプリでいつでも見られます。メールから確認する理由はありません。

9. 警視庁

9位には警視庁が入りました。企業だけでなく、警察までかたられる状況です。

「捜査に関する連絡」などと言われると、無視しづらくなります。ですが、警察がメールで個人情報やカード情報の入力を求めることはありません。不安なら、最寄りの警察署へ電話で確認しましょう。

10. 国税庁

10位は国税庁です。税金の未納や差押えをちらつかせる文面が、過去の週でも繰り返し確認されています。

「財産差押えの執行予告」と書かれていたら、誰でも動揺します。その動揺こそが狙いです。税金の連絡は、原則として書面で届きます。SMSやメールの納付依頼は疑ってください。

なぜランキング上位は毎週入れ替わるのか?

上位10社を見て、疑問がわいたかもしれません。順位は毎週大きく変わります。この入れ替わりにこそ、犯行グループの狙いが表れています。理由を知ると、警戒すべき範囲が見えてきます。

犯行グループが季節・時事に合わせて標的を変える手口

過去の公表を並べると、傾向がつかめます。連休前はETC関連、税金の時期は国税庁、というように標的が動きます。人々の関心に合わせて、かたる企業を選んでいるわけです。

7月の集計でJALやイープラスが上位に入ったのも、夏の旅行やイベントの時期と重なります。「今の自分に関係ありそうなメール」ほど危険度が高い。この視点を持ってください。

警察や官公庁までかたられる理由とは?

企業なら「自分は会員ではないから無関係」と判断できます。警察や国税庁は違います。すべての人に関係があるため、無視しにくいのです。

さらに、公的機関の名前には強制力のイメージがあります。逆らえない気持ちにさせて、判断力を奪います。公的機関ほど、メールで手続きを完結させない。この事実を覚えておけば冷静になれます。

順位外の企業でも安心できない理由

ランキングは、あくまで特定の1週間の集計です。翌週には東京ガスやANA、第一生命が上位に入った週もありました。

つまり、順位外だから安全とはいえません。ランキングは「危険な企業のリスト」ではなく、「どんな企業でもかたられる」という事実を示す資料です。この読み方が正解です。

実際に届く偽メールの件名例と共通パターン

次は、実際の文面を見てみましょう。静岡県警が例示した件名には、共通の型があります。パターンを知っておけば、初めて見る偽メールでも反応できるようになります。

県警が例示した要注意メールの件名

静岡県警は、注意すべきメールの件名を具体的に例示しています。実際に確認された文面は次のとおりです。

Appleお支払い情報の再確認をお願いいたします
Amazon配送センター本日配達のご注文についてのお知らせ
セゾンカード【重要】セゾンNetアンサー会員様へ ご登録情報の確認について
JR東日本事務局【最終通知】ポイント加算期限がまもなく終了します
【JCBカード】重要なお知らせ
JALマイレージバンクアカウント継続のお願い(期限:7月15日)

どれも、普段受け取るメールと区別がつかない自然さです。件名だけで真偽を判断するのは危険だとわかります。「本物っぽいかどうか」ではなく「入力を求めているかどうか」で見る必要があります。

「期限」「最終通知」「重要」で焦らせる心理的手口

件名を見比べると、共通の言葉が浮かびます。「重要」「最終通知」「期限」の3つです。いずれも、今すぐ開かせるための言葉です。

人は焦ると確認を省略します。犯行グループはこの心理を熟知しています。急がせるメールほど、いったん置いて深呼吸する。それだけで被害の多くは防げます。

メールだけでなくSMS・検索広告からも誘導される

入口はメールだけではありません。警察庁によると、SMSで銀行や宅配業者をかたる手口も多数確認されています。電話番号宛てに届くため、メールより信じやすい面があります。

検索結果の広告から偽サイトへ誘導する手口もあります。検索して1番上に出たサイトが本物とは限らないのです。ログインページは検索ではなく、ブックマークから開く習慣をつけましょう。

フィッシングサイト・偽メールの見分け方とは?

パターンがわかったところで、具体的な確認方法に進みます。ポイントは3つです。送信元、URL、そして迷ったときの行動手順。順番に見ていきます。

送信元アドレスとURLの確認ポイント

まず送信元アドレスを確認します。表示名は「Apple」でも、アドレスが無関係な文字列なら偽物です。ただし、本物のアドレスになりすます手口もあります。アドレスが正しく見えても、安心はできません。

次にURLです。リンクを長押しすると、実際の接続先が表示されます。公式ドメインと1文字でも違えば偽サイトです。確認できないときは、リンクを開かないという選択が最も確実です。

見た目では判別できない偽サイトの特徴

静岡県警は、フィッシングサイトの多くが実在サイトの複製だと説明しています。ロゴもレイアウトも本物と同じです。デザインでの判別は期待できません。

テレビの取材では、キャスターが偽サイトに適当な文字列を入力する実験がありました。結果は「登録されました」と表示され、カード入力画面へ進みました。でたらめな入力でも先に進むサイトは偽物のサインです。本物なら、誤った情報ではログインできません。

本物か迷ったときの確認手順

迷ったときの手順を決めておきましょう。判断に迷う状態こそ、被害の入口だからです。

手順はシンプルです。1. メールのリンクは触らない。2. 公式アプリかブックマークから自分でログインする。3. 同じ通知が来ているか確認する。本当に重要な連絡なら、公式サイト内にも必ず表示されます。メール側に何もアクションしないまま確認できるのが、この手順の強みです。

URLをクリック・情報を入力してしまったときの対処法

もし入力してしまっても、打てる手はあります。大事なのはスピードです。時系列で、やるべきことを整理します。落ち着いて、上から順に進めてください。

入力直後にまずやるべきこと

最初にやるべきは、被害の拡大を止めることです。何を入力したかで対応が変わります。下の表で確認してください。

入力した情報 最初にやること
ID・パスワード 本物のサイトで即パスワード変更
クレジットカード番号 カード会社に連絡して利用停止
銀行の口座情報 金融機関に連絡して停止措置
住所・電話番号のみ 不審な連絡への警戒を強める

入力から対応までの時間が短いほど、実害を防げる可能性が上がります。恥ずかしさより、連絡を優先してください。

カード会社・金融機関への連絡手順

カード会社への連絡は、カード裏面の電話番号を使います。検索で出た番号は使わないでください。偽の窓口に誘導される恐れがあるためです。

連絡の際は、いつ、どんなメールから、何を入力したかを伝えます。多くのカード会社には24時間の紛失・盗難窓口があります。夜間でも翌朝を待たずに連絡しましょう。カードの再発行と、不正利用の監視を依頼できます。

パスワード変更と不正利用の確認方法

パスワードを変えるときは、必ず公式アプリか正規サイトから行います。届いたメールのリンクから変更してはいけません。同じパスワードを他のサービスでも使っていたら、そちらも全部変更します。

その後の確認も大切です。カードの利用明細と、口座の入出金履歴を数週間は見守ってください。身に覚えのない請求を見つけたら、すぐカード会社へ連絡します。警察への相談も並行して進めましょう。

被害を防ぐために今日からできる設定

対処法を知ったら、次は予防です。静岡県警が呼びかけている対策は、どれも今日中に終わる設定ばかりです。3つに絞って紹介します。順番にやってみてください。

公式アプリとブックマークからアクセスする習慣

県警が繰り返し呼びかけている基本は2つです。メールやSMSのURLをクリックしないこと。よく使うサービスは公式アプリを入れて、公式サイトをブックマークしておくことです。

この習慣の意味は明確です。自分から正規の入口だけを使えば、偽サイトに入る経路が消えます。どんなに巧妙なメールが来ても関係なくなる。これが最強の防御です。

多要素認証(ワンタイムパスワード・生体認証)の設定

静岡県警は、多要素認証の設定も推奨しています。ワンタイムパスコードや指紋認証、顔認証のことです。

万一パスワードが盗まれても、多要素認証があれば犯人はログインできません。銀行、カード、通販の3つは最優先で設定しましょう。設定は各アプリのセキュリティ項目から数分で終わります。

IDとパスワードを使い回さない管理方法

パスワードの使い回しは、被害を連鎖させます。1つ漏れると、同じ組み合わせで他のサービスも試されるからです。

とはいえ、全部を覚えるのは無理があります。スマホ標準のパスワード管理機能を使えば、サービスごとに強いパスワードを自動生成できます。覚える必要はありません。まず金融系だけでも個別のパスワードに変えてみてください。

家族を守るには?世代別の注意ポイント

自分の対策が済んだら、家族にも目を向けましょう。狙われ方は世代で違います。それぞれの弱点に合わせた伝え方を知っておくと、家庭全体の防御力が上がります。

高齢の親に伝えておきたい確認ルール

高齢の世代には、税金や年金をかたる文面が刺さりやすい傾向があります。差押えという言葉に驚いて、1人で対応してしまうケースが心配です。

伝えるルールは1つで十分です。「お金や個人情報に関わる連絡が来たら、操作する前に必ず家族へ電話する」。細かい見分け方より、この約束のほうが確実に機能します。帰省のタイミングで話してみてください。

学生・若年層が狙われやすいチケット系詐欺

若い世代の入口は、チケットや通販です。イープラスが上位に入ったことが、それを裏付けています。人気公演の当落通知を待つ心理につけ込まれます。

若年層はスマホ操作に慣れている分、確認せず素早くタップしがちです。操作の速さと安全性は別物だと伝えましょう。支払いや当落の確認はアプリからだけ、というルールが有効です。

家庭内で被害を相談しやすくする工夫

被害を深刻にする要因の1つが、隠すことです。騙されたと言い出せず、対応が遅れます。その間に不正利用が進みます。

だからこそ、普段の声かけが大切です。「騙される人が悪いのではなく、手口が巧妙なだけ」と共有しておきましょう。このランキングを家族のグループチャットに送るのも、自然な話のきっかけになります。

フィッシング詐欺の相談・通報窓口はどこ?

最後に、頼れる窓口をまとめます。1人で抱える必要はありません。相談先を知っているだけで、いざというときの動きがまったく変わります。スマホにメモしておきましょう。

警察相談専用電話「#9110」とサイバー犯罪相談窓口

緊急の被害なら110番です。急ぎでない相談は、警察相談専用電話の#9110が窓口になります。全国どこからかけても、地域の警察につながります。

各都道府県警には、サイバー犯罪の相談窓口もあります。静岡県警の場合、警察庁の統一窓口フォームからネット経由で相談できます。電話が苦手ならフォームから。使いやすい方法を選んでください。

フィッシングサイトを発見したときの通報先

偽サイトを見つけたら、通報という選択肢があります。静岡県警は、インターネット・ホットラインセンターの通報フォームを案内しています。

通報には意味があります。情報が集まれば、偽サイトの閉鎖が早まります。あなたの通報が、次の被害者を減らします。偽メールを見つけたら、削除の前に通報を検討してみてください。

金融機関・カード会社の緊急連絡先の調べ方

緊急連絡先は、被害に遭う前に調べておくのが理想です。慌てた状態での検索は、偽窓口を踏むリスクがあります。

調べ方は3つあります。カード裏面の記載、公式アプリ内のお問い合わせ、契約時の書類です。いずれも確実に本物へつながります。よく使うカードと銀行の番号だけでも、今スマホの連絡先に登録しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

ここまでの内容で拾いきれなかった疑問に答えます。細かい不安ほど、正しい知識で解消しておきましょう。

偽メールを開いただけで被害に遭いますか?

メールを開封しただけなら、通常は被害につながりません。個人情報が抜かれるのは、偽サイトで入力したときです。開いてしまったと焦る必要はありません。

ただし、リンクのタップや添付ファイルの開封は別です。不審なメールは、開封後でも本文に触れず削除してください。開封は挽回できる、入力は急いで対処。この区別を覚えておくと落ち着けます。

本物のメールと偽メールはどこで判断すればいいですか?

結論からいえば、メール単体で完全に判断する方法はありません。文面もデザインも本物と同じレベルだからです。

そこで判断の軸を変えます。メールの真偽を見抜くのではなく、メールを経由せず公式アプリで確認する。本当の連絡なら、アプリ内にも同じ情報があります。なければ偽物です。

ランキングに載っていない企業のメールなら安全ですか?

安全とはいえません。ランキングは1週間ごとの集計で、順位は毎週入れ替わります。今週圏外の企業が、来週1位になることもあります。

実際、6月の集計では東京ガスやANAが上位に入っていました。ランキングは「この企業に注意」ではなく「どの企業でもかたられる」と読むのが正しい使い方です。すべてのメールに同じ警戒を向けてください。

家族が情報を入力してしまった場合はどうすればいいですか?

まず、責めないことが大切です。責められると人は隠すようになり、次の被害で相談が遅れます。

対応は本人の場合と同じです。パスワード変更、カード会社と金融機関への連絡、明細の確認を一緒に進めてください。高齢の家族なら、電話にも同席すると安心です。落ち着いたら#9110への相談も検討しましょう。

フィッシング被害のお金は戻ってきますか?

ケースによります。クレジットカードの不正利用は、速やかに届け出れば補償される場合が多くあります。各社の会員規約に補償の条件が定められています。

インターネットバンキングの不正送金も、法律に基づく補償の仕組みがあります。ただし、重大な過失があると減額の可能性があります。補償の鍵は、被害に気づいてからの連絡の早さです。迷ったらまず連絡してください。

まとめ

フィッシング詐欺サイトのランキングは、毎週順位が入れ替わります。特定の企業を警戒するより、URLを踏まない、公式アプリから確認する、多要素認証を設定する。この3つの習慣が、どんな偽サイトにも通用する対策になります。

今回触れなかった手口として、偽の警告画面でサポート窓口へ電話させるサポート詐欺や、電話で誘導するボイスフィッシングも確認されています。入口がメールから電話や広告へ広がっている点は、今後の注意点です。まずは今日、よく使う金融系サービスの多要素認証を1つ設定してみてください。そして静岡県警の週次公表を、家族との共有材料として活用してみましょう。

参考文献

  • 「【フィッシング注意報】多発詐欺サイト公表…ランキング上位は毎週異なり普段使いサイトでもご用心(静岡県警・7月第3週版)」-「Yahoo!ニュース(Daiichi-TV)」
  • 「フィッシングに注意!!」-「静岡県警察」
  • 「ネットの安全対策」-「静岡県警察」
  • 「フィッシング対策」-「警察庁Webサイト」
  • 「フィッシング詐欺に御注意ください」-「厚生労働省」